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キャリア自律と生産性向上は両立可能なのか?

最近よく耳にする「キャリア自律」という言葉。
社員が自ら主体的にキャリアを選択できるよう、多くの企業がキャリア自律支援の施策を導入・運用し始めていると聞く。

上記潮流に対して気になるのは、社員がキャリア自律を目指すことは果たして企業が期待する生産性の向上とどの程度重なるのか、という点。

個人的なイメージになるが、生産性の向上を目指すのであれば
社員に必要な能力を獲得してもらい(能力開発)、エンゲージメントやモチベーション高く働いてもらう必要がある。

一方、個人のキャリア自律を推進するのであれば、本人が獲得したい能力が
必ずしも会社として求めるものではないケースや、そもそも社外に目が向いてしまうケースも想定される。
極端な場合、「キャリア自律を推進した結果、社員がより輝ける場所は当社内にありませんでした」ということにもなりかねない。

上記が正しいとすると、企業としてはキャリア自律など推進しないほうが良いということになってしまうが、本当にそうなのだろうか?

こんなモヤモヤをぼんやりと考えているとき、キャリア自律と仕事への姿勢、定着性の関係性をアンケート形式で集計した調査がでてきた。

調査によれば、
・キャリア自律している人ほど離職傾向が低い
・キャリア自律している人ほど仕事に主体的に取り組んでいる
・キャリア自律している人ほど自身の職場を他人に進めたいと思っている
とのこと。

この結果を見たとき自分の中でひとつ腑に落ちたのは、
「キャリア自律という言葉をどの程度の幅で捉えるかによって解釈は変わる」ということ。
私はキャリア自律といえば、広義の職業選択に基づき適職を探したり伸ばしたい能力を決定すること、をイメージしている。
一方、企業目線のキャリア自律とは、あくまでもその組織内における職業選択や今置かれている職場内で主体的な行動をとることを意味しているように思える。

企業目線のキャリア自律で生産性向上を目指すのであれば、
その組織内に魅力的なキャリアパス(選択肢)があることや、
社員がキャリアチェンジをしたあとの新たな職場における適応支援を
しっかりとワンセットで考えることが大切なように思う。

自分なりの結論。
・キャリア自律が企業目線の定義であれば生産性向上との両立は可能
・ただし魅力的なキャリアパスの提示とアフターフォローが重要


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