RMPのあゆみvol.3-金地金の悪用に対する省庁の対応-
こんにちは。REFINE METAL PROJECT(RMP)の小西です。
都市鉱山由来のサステナブルでトレーサブルな貴金属「REFINE METAL」の認知拡大と価値向上を目指し、「REFINE METAL」だけでジュエリーを作る事の意義を広めるべく活動しています。
※都市鉱山=廃棄されたスマホや小型家電の中に含まれる有用な金属資源のこと
引き続き、これまでの「RMPのあゆみ」を振り返っていきます。
前回の「RMPのあゆみvol.2」はこちら↓
REFINE METAL PROJECTの概要はこちら↓
-------------------------------------------
無事ローンチを果たしたREFINE METAL PROJECT。
一般の方々に「リサイクルされた地金」というジュエリーの新しい価値観を提示することができたものの、地金のサプライヤーから協力を得る事は未だ実現できていませんでした。
しかしこの頃、世の中の風向きが変わり始めます。
きっかけのひとつは、「犯罪収益移転防止法」で定められている報告義務を怠った地金業者6社に対し、経済産業省が処分を下したこと。
その数か月後には「金地金等取引事業者の法令順守事項について」という書面をもって、本人特定の確認並びに記録の保存を厳正に行い、犯罪による収益であることが疑われる取引があった場合は速やかに報告するよう、改めて周知が促されました。
多額の現金で金を大量に購入するという、マネーロンダリングが疑われる事案が次々と発覚し、国としても看過できない事態に陥ったのです。
更に、金の密輸が問題視されていたのもこの頃。
・犯罪による収益の移転
・密輸による脱税
金地金の悪用が社会問題化している状況を受け、省庁が監視体制を強化し始めていました。
このような流れを受けて、一社のサプライヤーの対応に変化が見られはじめます。最大手の某企業と並行して打診を続けていたX金属です。
2019年の1月。X金属へ商談に伺った際には、ご担当者様からこのような言葉がありました。
「(国の方針を考えると)この地金がどこからきたものか、どのような経路で地金になったか、はっきりしていないものは流通できないようになると思う」
それでもまだ、この時点では「都市鉱山由来の金属であるという事を何かしらの形で証明するのは難しいかもしれない」というご返答でしたが、国の対応を受けて業界内の意識が変化しつつあることは、私たちにとって確実に追い風になっていました。
最終的にREFINE METALの証明を出すことについてご承諾を頂けるまでには、ここから約1年ほどかかります。
その間、私たちはただ手をこまねいて待っていた訳ではなく、様々な形でREFINE METAL PROJECTとしての活動を行ってきました。
(次回へ続く)
【REFINE METAL PROJECT公式サイト】
【プロジェクトレポート】
Facebookのプライベートグループで、RMPに関する未公開の最新情報をお知らせしています。私が所属するジュエリーブランド「hum」での出来事も綴っています。お気軽にご参加ください。