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今夜、この服でどんな酒を飲む?第24夜「若気の至りと向き合う!」

僕の趣味は、服をながめながら酒を飲むこと。
10代の頃より集めてきたコレクションの中から一品をチョイスしてハンガーにかけ、それに合ったストーリーの酒で一杯やる。
何ともバカバカしい趣味ですが、これがけっこう楽しいのです。
今夜で当シリーズはひとまず最終夜を迎えます。
さて、今夜は何をながめて酔おうかな♪ 

【高須浩平 プロフィール】
放送作家、1977年東京生まれ。
『バラいろダンディ』(TOKYO MX)『サバンナ高橋の、サウナの神さま』(TOKYO MX)などを構成。
趣味は、服の収集と酒を飲むこと。東京ヤクルト・スワローズのファン。
この連載は、今回で第6弾となります。 

第24夜 Chloeの南京錠バッグでシャンパン『Veuve Clicquot』のロゼを飲む

若気の至りは誰にでもあるものですが、ファッションにおける僕の“若気の至り”はかなり派手にやっており、思い出すだけでも赤面もの。
20代の頃は、似合う似合わないはお構いなしにハイブランドものを買いあさりました。
あの頃の自分、イタかったなあ……(笑)。
似合わないものの多くは手放してしまいましたが、クローゼットの中にその名残りがまだあったので今回は恥を忍びつつ懐かしみつつ紹介しましょう。
まずは、こんなのを発見。 

▲Chloeの南京錠バッグ(20万円 ※参考価格)

2000年代に流行した『Chloe(クロエ)の南京錠バッグ』。
アイテム自体は大変素晴らしいのだけれど、何がイタいってこれ、レディースものなんです(笑)。
 
「レディースをあえて取り入れちゃう俺ってイケてる!」

当時はそう考えていたのです。
冷や汗ものですね……。
世の中には、レディースを取り入れてそれがスタイルになる男性もいると思いますが、僕の場合は全然そんなルックではなく、どちらかといえば「それ、間違えて買ったんじゃないの!?」と思われてしまうタイプ。
実際、そう思ってた人もいるんじゃないかな??
これ、母にあげよう。

さらに、こんなものも発見。 

▲D&Gシャツ(5万円 ※参考価格)

「難しい柄もの取り入れちゃう俺ってイケてる!」

当時はそう思ってました。
恥ずかしい……(特大の冷や汗です)。
これも素晴らしいアイテムなのですが、自分ではまったく着こなせませんでした。
 
冷や汗が止まらないので水分補給を。
といっても、忘却の作用のある水分をいただくことにします。
選んだのは、シャンパン『Veuve Clicquot(ヴーヴクリコ)』のロゼ。

▲Veuve Clicquotロゼ(7000円 ※参考価格)

クロエのバッグに柄シャツで、よくこの酒を飲んでいたなぁ。
足とか組んでカッコつけて……。
 
いろいろ思い出してきたぞ。
ヴェルサーチの真っ赤なパンツで歩いていて、近所のおばさんにドン引きされたな。
マルジェラのファーコートで初詣に行ったら周りから変な目で見られたな。
サイズ感お構いなしに5万円もするマスターマインドのTシャツを買ったらキツキツで乳首が浮いたな。それでも無理して着てたな。

ああ、冷や汗が止まらない……。
もっと飲んで忘れよう。
忘れてしまいたいことや
どうしようもない恥ずかしさに
包まれた時に男は酒を飲むのでしょう
って河島英五みたいになってきたぞ(笑)。

河島英五『酒と泪と男と女』(1976年リリース)

このコラムと世界観は全く違うのだが……
ま、僕もそんな年齢になってきたってことですかね。
良しとしましょう。
 
さて、第6弾の連載は今回で終了です。
あなたも好きな服を着て、うまい酒を飲んでください。
きっと楽しい趣味になるはず。
また機会があれば、お会いしましょう!

(おわり)

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