スポーツ語るシス！テーマは「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」

これまで、多くのプロ野球のスタジアムを訪れてきました。
その中で、特に印象に残っている球場について、自由気ままに語ります。
スタジアムというところは、実際に行ってみるとそのスケール、美しさ、歴史に感動する場所だったりします。
 
このシリーズのラストとなる今回は、現在の広島東洋カープの本拠地『MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島』について。

【構成作家Ｔ　プロフィール】
主にラジオやテレビの台本を書いている40代の構成作家。
趣味はスポーツ観戦。特に野球が好き。カープファン。高校野球ファン。

あの黒田投手をこの目に焼きつけたマツダスタジアム！

『MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島』は、カープファンという贔屓目なしにしても、ダントツで好きなスタジアムです。まず、観客のことを第一に考えているので、どの席からでも見やすいのが特徴。また、コンコースを使えばぐるりと一周できるので、1試合の中でいろいろな景色を楽しめるというのも、他のスタジアムにはない魅力となっています。

そんな『MAZDA スタジアム』で観戦した試合の中で、最も強く印象に残っているのが、2015年7月7日のベイスターズ戦。
 
この日の先発投手は、メジャーリーグから広島カープに戻ってきたばかりの黒田博樹投手。メジャーの高額オファーを断って、古巣カープに復帰。「年齢的に考えても残りの野球人生は長くないと思っています。カープのユニフォームを着て投げて最後の1球になった方が、後悔がないと思い復帰を決断しました」と語った男。ファンにはたまらない選手です。
当初のローテーションだと別の投手の登板日でしたが、雨天中止などの影響で少しずつローテーションがずれ、この年、僕が唯一広島で観戦できた試合に黒田さんが先発するという幸運にめぐまれました。
 
しかも、この日は“七夕”。長年、待ち続けた人に会える喜びで、当日は朝から期待でそわそわしていたことを覚えています。
 
ところが、この日は朝から雨。
夕方以降の天気予報も芳しくなく、半ば諦めていました。
が、徐々に小雨に。そんな空模様の中、なんとかゲームがスタート。
「ピッチャー・黒田博樹」のコールと共に、あの黒田さんがマウンドに！
このときの大歓声は、これまでに聞いたことがないような熱いものでした。

いよいよ、黒田投手が投げる！
打たれても抑えても表情ひとつ変えず、淡々と投げ込む。
その姿は男の中の男。
画になる。
一挙手一投足、見逃すまい……。
 
結果的に、この試合は敗れてしまいましたが、もはやそんなことはどうでもいいのです。カープが負けた試合で、ここまで思い出に残っているのは、このときぐらいかもしれません。それほどの大きな感動をもらいました。

それは、魂を込めた男の仕事でした。
 
広島駅からも歩いて行ける場所にある『MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島』。最近は、なかなかチケットが手に入らないのが難点ですが、広島観光のついででも、ぜひ一度訪れてみてください。
 
スタジアムグルメも豊富ですし、市民球場時代からの名物・カープうどんも販売していますので、こちらもお試しあれ！
 
 
まだまだ、他にも思い出のスタジアムはたくさんありますが、当連載は今回でひとまず最終回とさせていただきます。
全4回、ありがとうございました。
また機会があれば、お会いしましょう！
 
（おわり）