キャッシュフォーワーク2020の参加者の91%が離職やシフト減少による収入減少を経験(第1回参加者調査)
コロナ禍で困窮する若者が地域や社会の課題解決を目指す「キャッシュフォーワーク2020」は、休眠預金等活用事業からの資金提供を受け、13団体に約1億7000万を提供する日本でも最大規模の助成プログラムです。
本事業は規模のメリットを活かし、定期的なアンケート調査を、日本でも組み込んでおり、そのデータをもとに助成事業の迅速なPDCAを行い、得られたデータをもとにキャッシュフォーワーク手法を広く社会に実装していくことを目指しています。
本記事では、第一回の参加者調査の結果と概要をご紹介します。
調査概要
回答者:コロナ禍で収入が減少した若者の中で最低賃金での雇用型就労で雇用された若者(第1期採択団体の提供するプログラム参加者のうちアンケート調査協力者51名)
調査目的:参加者の属性・現状把握およびプログラムの仮説検証
主な調査項目:基本属性・コロナ前の就労状況、コロナ後の就労状況の変化・参加動機
主な調査結果
コロナ禍以前(2020年3月以前)の雇用形態は、パート・アルバイト、派遣社員、契約社員が81%であり、非正規雇用の方が大半を占めました。就労内容としては、販売・サービスが50%を占めました。
プログラム参加者のコロナ禍以前の収入水準については、月収20万円未満の方が98%でした。参加者のうち91%が離職やシフト減少による収入減少を経験していました。参加動機としては、参加者のうち80%が「新しい経験やスキルを獲得できると思った」と回答。また、「地域・社会に貢献したい」が47%と約半数を占めました。
回答者の多くは、懸命に働きながらもキャリアの向上も見込めないワーキングプア状態に置かれる若者やその予備軍でした。また、一部の事例からは、コロナ禍で家族からの支援も得られにくい状況に陥っているということも報告されています。
失業をきっかけにメンタルヘルスの悪化や生活基盤を失っていくという悪循環は様々な現場や調査で報告されていますが、その中で本調査によって確認できたことは、失業をある種の機会として役割やつながりを回復していく過程としてのキャッシュフォーワークの有効性です。
また、同時に力のあるNPOやソーシャルビジネスの担い手を通じて、非正規雇用の方や、コロナウイルス感染拡大に起因する離職やシフト減少を経験した方を幅広く支援することができたということも確認されています。
今後の方針
女性の失業が多いというコロナ禍の状況も踏まえ、第2期の採択団体では、美容部員等の対面接触型のサービス業従事者に研修を行う全国福祉理美容師養成協会やシングルマザーのデジタル人材化支援を行うグラミン日本などを採択しています。
また、一般財団法人リープ共創基金は2021年度も休眠預金等活用事業の「新型コロナウイルス対応緊急支援助成」の資金分配団体として採択を受けており、引き続きコロナ禍で職を失った若者への支援を続けていきます。
キャッシュフォーワーク2021助成プログラムに関しては近日中に下記のウェブサイトに公募情報を公開いたします。
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