私は等身大のウルトラマンになる
ウルトラマン
それは、心優しく、賢く、そして強い、光の巨人。宇宙の彼方からやってきて、地球の危機を救ってくれるヒーローである。
しかし、ウルトラマンはどんな時でも地球を救ってくれるわけではないということをご存じだろうか。
初代ウルトラマンでは、化学特捜隊のイデ隊員が「ウルトラマンがいるなら自分たちの仕事は必要ないじゃないか」とぼやく場面がある。(第37話「小さな英雄」)
怪獣からの攻撃が来ても「ウルトラマン!来てくれよ!」と叫ぶばかりで、戦闘に参加しようとしない。ウルトラマンはなかなか現れず、そうこうしているうちに最悪の事態が発生。
ハヤタ隊員(=ウルトラマン)から喝を入れられたイデ隊員は自身の本分を思い出し、前線に立つ。そして見事自らの手で怪獣を撃退するという流れだ。
帰ってきたウルトラマンでは、主人公の郷秀樹が「ウルトラマンの力があれば訓練なんて必要ないぜ」と怠けていると、第2話にして早くも変身できなくなってしまう。力を過信して怠ける彼に、ウルトラマンは力を貸してくれなくなったのだ。そして防衛組織MATからも追放されてしまう。
郷は考えを改め、地道なトレーニングに励むことに。その努力と功績が認められMATに復帰し、ウルトラマンの力も再び得ることができる、というストーリーだった。
私はこれらの話を大人になってから初めて見て、衝撃を受けた。ウルトラマンはいかなる時も、分け隔てなく助けてくれるものだと思っていたからだ。
それと同時に、でもそういうものだよなと納得もした。
知らない宇宙人が怠けていたせいで怪獣にやられてしまうなんて、自業自得すぎて助ける気も起きないだろう。
反対に、本当に困っていれば、たとえ宇宙人であろうと絶対に助けてくれるのもまたウルトラマンである。頑張ってもどうにもならない絶望的なピンチから、彼らは地球人を救ってくれるのだ。
私が目指したいのって、こういう人かもしれない、と思った。
本当は、世界中全部丸ごと優しさで包み込まれれば良いね、なんて言えたらステキだろうけど、私はそこまで優しくなれない。
駅でぶつかってきたおじさんは何もないところで転けろとか、道をふさぐカップルのデートは雨であれとか、日々小さな呪いの言葉を吐くみみっちい女である。
自分よりも他人を優先して慈善活動に従事するような人を見ていると、なんだか遠い存在に感じるし、自分の器の小ささに悲しくなったりする。
でも、電車にお年寄りが乗ってきたら席を譲ったり、道に迷っている人がいたら教えてあげる優しさくらいは持っていたいし、助けを求める友人の元にはすぐに駆けつけてあげたい。
星一つ救うウルトラマンに比べたらあまりにも小さすぎるけど、自分が助けたいと思った誰かのことには一所懸命になれる、そういう「ウルトラマン」になら私もなれそうだ。
等身大の気持ちを胸に、私は昨夏あるところに募金をした。それはウルトラマン基金。
毎年夏に開催されているウルトラヒーローズEXPOサマーフェスティバルの展示ブースに募金箱が置かれていて、500円募金すると1枚ポストカードがもらえるというものだ。
子どもたちやオタクは好きなポストカードが500円で手に入って嬉しいし、そのお金は支援につながる。良いこと尽くしだ。
動機は不純かもしれないけど、でもハードルの高さに怖気づいて何もしないより、自分の「好き」と結びつけでも何か出来た方が良い。これは私なりのチャリティであり、等身大のウルトラマンへの一歩だ。
自分も嬉しい方が支援って続くと思うから、「推し活×チャリティ」って結構アリなんじゃないだろうか。
ちなみに、ウルトラマン基金はチャリティ商品の通販なんかもやっていたりする。酒類が多いので、お酒好きな人はぜひ見てみてほしい。
ウルトラマン基金に集まったお金は、主に被災地の子どもたちの笑顔のために使われる。寄付はもちろん、ウルトラヒーローたちが被災地を訪問してショーを開催したりもするそうだ。
困った時にはウルトラマンが来てくれる。それは子どもたちにとって確かな希望になることだろう。そして、こうした支援を受けた子どもたちが、いつか誰かを助ける「ウルトラマン」になってくれたら良いな。
私も一緒に「ウルトラマン」を目指すよ。小さな優しさの積み重ねを、ウルトラマンはきっと見ていてくれるから。
こちらの企画に参加しました!
志の高い皆さんに紛れてオタク語りしてしまい恐縮です…!ありがとうございました!
バトンはアルロンさんからお受け取りしました。
まさかのウルトラマン被りすみません!でももう書き始めちゃってたから止められなくて……。セブン推しとのことですが、自分は(もうお分かりかもですが)その息子・ゼロ推しです。
そして紫吹はるさん、アルロンさんと自分を繋いでくださってありがとうございます!どちらにわたってもウルトラマンだったというミラクルでした(笑)
このギネスに挑戦するリレーエッセイ、次にバトンを受け取ってくださる方を探しています!!
フォロー内外問わずお気軽にコメントください!
(この人書いてくれそうだよ!という情報でも嬉しいです。お待ちしております!)
次のバトンは、日々心に響く言葉を届けてくださる仲川光さんにお渡しします!
無茶振りにも関わらずバトンを受け取ってくださり、ありがとうございます!女神…!感謝です!
自分に声かけてくれようとしてくださっていた方、もしいらっしゃったら仲川さんへお声がけください!
何卒よろしくお願いいたします!!