見出し画像

Bonfire Night!!

イギリスでは、毎年11月5日は「ガイ・フォークス・デー」と呼ばれる一種の記念日です。

これは、1605年11月5日に、ガイ・フォークス(Guy Fawkes)をはじめとした一部の過激なカトリック教徒たちが、国王ジェームズ1世を暗殺して、カトリックの国王に挿げ替えようと計画したところ、事前に発見され失敗したことで、事件の失敗と国王の生存に感謝をするために焚き火(Bonfire)を行ったのがきっかけとされています。

その後、この11月5日は「王を救った神に感謝する記念日」として法律で制定され、毎年恒例の記念日となりました。

上記のような背景から、当初はプロテスタントの祝祭日という側面があったようですが、400年以上経った現在では、純粋に焚き火や花火を楽しむ一つの行事として市民権を得ています。

そしてここチェスターでも、庭で焚き火をしている家や、小さな花火を打ち上げて楽しんでいる若者の姿を見かけ、チェスターのレースコース(競馬場)では「Chester Bonfire Night」という名の花火大会が開催されました。

なお、イングランドでは公式には「ガイ・フォークス・デー(Guy Fawks Day)」あるいは「ガイ・フォークス・ナイト(Guy Fawks Night)」と呼ばれるようですが、チェスターでは「ボン・ファイアー・ナイト(Bonfire Night)」と呼ばれているようで、呼称にも地域性があるのだな、と個人的には面白さを感じます。

私もせっかくなので、イングランドの記念日を体験しようと思って、レースコースまで赴いてみました。

イベントの前後は、レースコース周辺の道路が閉鎖され、日本で言うところの”歩行者天国”状態。

レースコースに入場して花火を見るには、入場料をとられるのですが、周辺の道路から眺める分には無料です。

そして会場周辺に着いてみると、案の定、人、人、人、、、

花火自体は、午後7時30分に開始。

会場ではカウントダウンが始まり、観客が口をそろえて「ゼロ!」と叫んだ直後、花火が打ちあがります。

日本で言うところのスターマインを、気持ち小さくしたくらいの規模の花火が次々と打ち上げられ、会場周辺の人々を沸かせます。

私も夢中になって花火を眺めたり、写真や動画をとったりしているうちに、あっという間にフィナーレを迎えました。

「あっという間だったな」と思って手元の時計を見ると7時50分。

なんと、花火は20分で終了。

日本の花火大会が、1時間~2時間ほどかけて開催されるのに対し、ここチェスターでは、これだけ人を集めておいてまさかの20分。

聞いた話によると、早めに終わるのは「子供が早く帰って寝るため」というなんとも素敵なイギリスらしい理由によるようです。

日本の夏の花火大会に慣れている私にとっては、10号玉の腹の底まで響く爆発音や、視界の端から端まで彩る圧倒的な火薬量を期待していただけに、チェスターの花火大会の、花火の質にも量にも、圧倒的な物足りなさを感じました。

それだけ日本の花火大会はクオリティが高いのかもしれません。

それでも、花火大会が終わって、満足そうに会場を後にする人々や、興奮気味の子供たちをたしなめながら家へ帰っていく多くの家族連れの姿に、少しほっこりとした気持ちになりました。

日本とは異なる不思議な文化を感じた、チェスターでの「Bonfire Night」なのでした。


いいなと思ったら応援しよう!