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イギリスのクリスマス事情②~宗教と家庭の文化と慣習~

ご存知のとおり、クリスマスは本来キリストの誕生日であり、キリスト教の祝日です。

日本では、文化イベントとしては定着していますが、クリスマスの宗教的な側面はあまりフォーカスされません。

では、本場キリスト教の国であるイギリスではどのようなものなのか。

今回の記事では、イギリスの宗教と家庭のクリスマスに焦点をあててみたいと思います!


今日のイギリスにおけるクリスマス

まず、イギリスのクリスマスについて個人的な印象を申し上げると、「思っていたほど宗教色は強くはない」です。

「キリスト教の国」と言っても、みんながみんな毎週教会に通って牧師さんのお説教を聴いたり、聖書を読んだりしているわけではありません。

そのため、イギリスの一般的な家庭で普通に生活を送る分には、それほど宗教を意識することはありません。

日本が「仏教と神道の国」と言っても、みんながみんなお寺に通ってお経を唱えるわけでも、神社で禊をするわけでもないのと同じです。

どちらかと言えば、家の中に仏壇や神棚があったり、だるまを飾ったりする日本人の生活の方が、よっぽど宗教的な色が強い印象を受けます。

それでもやはり、イギリスの人たちにとってクリスマスは一年の中で最も重要なイベントのようです。

大聖堂や教会へ行けば、クリスマスキャロルのコンサート、詩や物語の朗読会、クリスマスの集会などの行事が盛大に行われます。

街の中心部には大きなクリスマスツリーが登場し、その周辺は、きらびやかな電飾や、クリスマスマーケットで賑わいます。
(クリスマスマーケットについては次回の記事で詳しく書きます)

そして、家庭ではクリスマスツリーを飾り、友人にクリスマスカードを贈り、クリスマス当日とその前後には2週間~1か月程度の休暇をとって、家族みんなで過ごしたりするようです。


クリスマスツリー

「なんでクリスマスツリーを飾るのか、知ってる?」

と、イタリア人の友人に聞かれました。

クリスマスの象徴だから、という理由で毎年なんとなく眺めたりしていたのですが、よくよく考えると、わざわざ手間をかけてクリスマスツリーを飾る本当の理由を知りません。

その友人によると、クリスマスツリーに使われる木は、冬でも葉を落とさない常緑樹。緑色の木は「生命」を象徴。
飾りつけには、もともと「知恵」の実であるリンゴを飾っていて、それが次第に丸いボール型のオーナメントになったのだそうです。

このことから、クリスマスツリーを飾ることによって、神様に「生命」や「知恵」を宿してもらったことを感謝するのだそうです。

なるほど、、、良いことを聞いたな。と思いました。

私のホームステイ先のリビングにも、立派なクリスマスツリーが飾られています。
ホストマザーと、娘さん(結婚して別のところに住んでいる)が半日以上かけて飾りつけをしていました。


クリスマスカード

日本であまりなじみがないのが、クリスマスカードを送るという文化。
家族や友人に宛ててクリスマスのお祝いの言葉や新年のあいさつを送りあったりしているようです。

日本の年賀状と似たような文化でしょうか。

ただ個人的に感じるのは、年賀状よりもクリスマスカードの方が一通あたりのコストが高いという点です。

良いデザインのカードは1枚あたり£3(約500円)以上しますし、プリンターで印刷とかではなく、手書きでメッセージを書くのがほとんどのようです。

クリスマスカードは、郵便局やカードショップ、本屋、文房具屋など売っています。素敵なデザインのクリスマスカードがいっぱい並んでいるのですが、しばしば見かけるのが「ロビン」という鳥のデザイン。

イギリスの国鳥にもなっているロビンですが、胸から顔の部分が赤いことから、クリスマスカードを配達する郵便の配達員にたとえられ、クリスマスに繁忙期を迎える郵便局の職員へのリスペクトを込めて、多くのクリスマスカードにデザインされているようです。

今となっては、すっかりイギリスのクリスマスの象徴の一つになっています。


まとめ

イギリスのクリスマスは、やはり本格的だなと感じるのですが、まだクリスマス当日を迎えたわけではないので、実際のクリスマスがどのようなものであるのか完全には体験できていないというところです。

また、クリスマスからの12日間の方が重要という話も聞くので、どんなことがおこるのか、イギリスのクリスマスを最後まで見届けたいと思います。

次回の記事では、チェスターのクリスマスマーケットについて、書いてみたいと思います!!お楽しみに!!


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