見出し画像

イギリスでイギリス人の友人と「THE FIRST SLAM DUNK」を観た話

日本では、昨年12月に公開となっていた「THE FIRST SLAM DUNK」

原作の漫画を読み、かつバスケットボール好きな私としては、ずっと観たかった映画でしたが、公開時には既にイギリスにいたため、観ることができませんでした。

が、ついに、先日、2023年8月30日にイギリスでも上映が開始され、少し遅れてここチェスターの映画館でも上映されました!

この映画がチェスターで観れると知った私はすぐに、私が所属するランゲージエクスチェンジのグループチャットで一緒に観に行ってくれる人を募ったところ、私以外に5人が映画に興味を示してくれ、うち2人のイギリス人の友人が実際に鑑賞に付き合ってくれました!

今回の記事では、彼らイギリス人たちが、日本が誇る王道スポーツ漫画「スラムダンク」に出会った反応をご紹介したいと思います!


1 「スラムダンク」を知らないイギリス人たち

ここイギリスでも、日本の漫画やアニメはかなり人気です。
「ONE PIECE」「NARUTO」「BREACH」「鬼滅の刃」「進撃の巨人」…
といった、日本でも有名な作品は、度々どこかで目にしたり、会話の中で耳にしたりすることが多くあります。

しかし、私はここ1年以上チェスターに住んでみて、「スラムダンク」という名前は、この映画が公開されるまで一度も目にも耳にもしたことがありませんでした。

そしてそもそも、イギリスではバスケットボールの人気がありません。

なぜバスケットボールの人気がないのかいろんな人に聞いてみたのですが、

「アメリカンだから。」

と、皆冗談交じりに口を揃えたかのように、こう返してくるのです。

サッカーやラグビー、ゴルフにテニスといった、イギリスで伝統のあるスポーツは人気で、野球やバスケ、アメフトといったアメリカ発祥のスポーツの人気がないのは、イギリス人の性格をよく現していますね。


2 2人のイギリス人の友人について

さて、では今回一緒に映画を観に行ってくれた私のイギリス人の友人2人について紹介したいと思います。

友人A

私がチェスターに来て初期に出会った地元のイギリス人の友人。
イングランド南部のソールズベリー出身で、なまりのない綺麗な英語を話す。
NHS(病院)で働いていており、英語、フランス語、スペイン語、イタリア語を流ちょうに操り、現在ドイツ語とロシア語を勉強中。日本語と中国語にも興味あり。
地元の教会のコーラスに所属しており、歌が上手い。
スポーツや漫画には興味がなく、したがって、バスケもスラムダンクも全く知らない状態で映画鑑賞に臨む。

友人B

図書館の英会話クラブで出会ったウェールズ人の友人。
ノースウェールズの建築会社で技師として働いており、スペイン人のパートナーとチェスターで暮らしている。
ロック大好きで、ドラムをよく練習している。
スペイン人のパートナーが昔バスケをやっていたことから、バスケに興味を持ち、度々私と一緒に地元のプロバスケットボールクラブの試合を観にいったりする。ただ、スラムダンクは知らない。


3 実際に映画を観てみて

平日の夜であったせいか、スラムダンクの人気がないせいなのか、私たちが観た時間のショーには、観客が(私たちを含めて)7人しかいませんでした。

ゆったり座れたので良いのですが、スラムダンク好きとしてはちょっと悲しい…。

映画は日本語音声で英語字幕。
日本語の映画を英語字幕で観るのは、これが初めてだったので、新鮮でした。

あえて私個人の感想を言うと、「やっぱ原作には敵わない」
期待高めで観た分、ちょっぴり残念だったかな、という印象。

それでも、漫画では実現できないバスケットボールのリアルな動きと、ゲームのリズム、BGMの音楽との相性のおかげで、バスケットボールのスリリングでエネルギーに満ちたパフォーマンスを楽しむことができ、観終わった後にはとてつもない高揚感を得ることができました。

…では、イギリス人の2人の反応はどうだったのでしょう?


友人A…
「思ったよりも楽しめた。」

というなんとも無難な感想。
彼にとっては、バスケも漫画も無知の状態で観たので、本来の面白さがあまり伝わらなかったようです。

例えば、彼はバスケのルールを全く知らないので、本来ではギャグパートとして描かれている桜木がダブルドリブルをするシーンも、彼には面白く伝わらず、ちんぷんかんぷんだったようです。

観終わったあとに、「ダブルドリブルって何」とか「あの30秒のカウントダウンはなんだったの?」とか、ルールについて色々質問されました。笑

やっぱり初見には厳しかったか…


友人B…
「すごく良かった!!誘ってくれてありがとう!!」

友人Aとは正反対の反応。彼にはバスケのルールの知識がある分、映画を理解して楽しめた様子。さらにロック好きの彼ならではの感想として「音楽がすごく良かった!!」と言って、映画を観終わった後、10-FEETの「第ゼロ感」をダウンロードしていました。笑

スラムダンクにも興味を持ってくれて、「NETFLIXでアニメを観てみる」とも言っていました。


2人とも、スラムダンクについては無知だったので、本作で主人公として描かれている宮城リョータよりも、謎に出しゃばってくる桜木花道の存在が気になっていたようで、観終わった後に、

「原作では、あの赤い頭のが主人公だったんだよ」

と私が説明したら、2人とも納得していました。

日本人だったら、スラムダンクを読んだことがなくても、赤い頭の桜木花道が主人公であることは、何となく知っているであろうことから、同じ初見でも、日本人の初見とイギリス人の初見で、観たときの面白さの感じ方は違ってくるんじゃないかな、とも思いました。

あと、一つ個人的に気になったのは、日本語の英訳。

当然のことなのかもしれませんが、英語の字幕よりも、本来の日本語で映画を観た方がよっぽど面白い。

例えば、流川が桜木に「どあほう」という言葉をかけるのですが、対応する英訳は「バカ」と同義の「idiot」

同じ映画の中で、ゴリ(赤木)が桜木に「愚か者」と言葉をかけるシーンでも、同じく「idiot」が使われており、英訳だとそれぞれのキャラクターの個性が少し削られてしまっているなーという印象を受けました。

(こんな感想が言えるようになったくらいに、私の英語力は成長している…!?)


4 結論


日本語で原作読め。



…最後までお読みいただき、ありがとうございましたー。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?