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【随想】町の"音"を愉しむことについて

真夜中のホテルには音がありません。
静寂の中に、微かな空調の音、ただそれだけ。

だから、たまに"音"が恋しくなります。

人々の生活の音、鳥の鳴き声、木々の葉のさざめき。

町には色々な"音"があふれていて、町にはそれぞれの町の音があります。

チェスターの音といえば、観光客がもたらす様々な言語、ストリートミュージシャンたちの音楽、鳩とカモメの合唱、そして、大聖堂の鐘の音。

ロンドンにはロンドンの音があり、東京には東京の音があり、デリーにはデリーの音があることでしょう。

町が発する一瞬の音の波長は、後にも先にも決して一致することはなく、その瞬間それ限りなのです。

だから最近は、仕事がオフの日はなるべく外に出かけ、町の音を聴くのを楽しんでいます。

音が聴こえるって、素晴らしい。

なんだか自分が生きている気がするし、自然が生きている気がするし、地球が生きている気がして、身体が勝手に喜ぶのです。

当たり前のことが無くなって気付くことって、意外と多い。
ナイト・ポーターにならなかったら、気付かなかった幸せだと思います。

みなさんも、たまにはイヤホンやヘッドホンを外して歩いてみてはみませんか…?



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