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イギリスで財布を落とした結果…
先日、同じ学校に通う友人2人と、郊外にあるアウトレットモールへ行きました。
ちょうどその日は金曜日で、学校も午後の授業はお休み。
そろそろ冬服の準備をしなければいけないな…と思っていたころ、ちょうど友人が「午後アウトレットに行く」という話を聞いて、便乗することにしたのです。
アウトレットまでは、市街地からバスで30~40分ほど。
着いてみると、そこには、バーバリー、ポールスミス、コーチにアルマーニなど、日本でもお馴染みの高級ブランドショップから、ファストファッション、カフェ・レストラン、雑貨屋におもちゃ屋さんまで、いろいろなお店が並んでいます。
日本にあるアウトレットモールと比べると、若干規模は小さいと感じますが、雰囲気は日本のそれと変わりがないという印象です。
着いた時間はちょうどお昼過ぎ。
何も食べていなかったので、とりあえずランチをすることに。
友人2人が選んだお店は、イギリスの日本食チェーン「wagamama」
久しぶりの日本食、ラーメンにしようか、カレーにしようか、どんぶりにしようか、時間をかけて悩んだ結果、久しぶりに日本のカレーを食べたい気分だったので、メニューにあった「ライスカレー」を注文してみることに。
待つこと約20分…
店員さんが料理を運んできて、
「Rice curry?」
と言われたので、「For me」と応える。
すると、目の前に現れたのは、グリーンカレー。
ちゃんとお皿にはタイ米も盛られているので、「ライスカレー」であることには間違いありません。
日本食レストランを謡っていても、やはりイギリスクオリティ。
あまり期待はするものではありませんね。笑
お味の方はそれほど悪くはないのですが、チェーン店で価額が約£14(約2,200円)と考えると、コスパはかなり悪いなという印象です。
あまり満足はしませんでしたが、ここイギリスでは割り切ることが大事です。
さて、お会計のタイミング。
会計はテーブルのQRコードをスキャンして、スマホ上で支払うタイプ。
友人2人にかっこつけようと思って、こっそり3人分全額払おうとしたところ、
財布がない、、、
いつもズボンのポケットに入れている二つ折りの財布が、ポケットに入っていないのです。
カバンの中や、お店のトイレを探しても見当たらず、結局会計は友人の1人が私の分も持ってくれることに。
かっこつけようとした結果、情けない姿をさらしただけでした…
しかも、友人の会計が終わったころになって、予備の財布と日本のクレジットカードを持っていたことに気が付きます。
めちゃくちゃばつが悪かったです…
とは言え財布を無くしてしまったことは一大事。
しかもここは日本ではなく、イギリス。
安全に戻ってくる保証はありません。
財布の中にはイギリスの銀行口座直結のデビットカードも入っています。
口座内には、私がイギリスで使える全財産が入っています。
そして、ここイギリスでは、クレジットカードやデビットカードで決済をする場合、£100までの会計ならPINを使わずタッチレスで決済ができます。
普段使う分にはサクッと会計ができて便利なのですが、反面、誰でも使うことができてしまうので、落としたときは最悪です。
友人の2人もかなり心配してくれて、とりあえずアウトレットモールの中を、バスを降りた場所まで一緒に探してくれました。
勝手についてきた上に、迷惑をかけて、さらにランチ代まで払わせてしまうとは、、、
さすがにこれ以上の迷惑をかけられないので、「私は大丈夫だから」と言い聞かせて(というのもおこがましいですが)、2人にはショッピングを楽しんでもらうため、その場で別れました。
さて、一人になった私は、バスの中に落とした可能性を考え、バス会社に電話します。
ワンコールの後、煩わしいダイヤルナビがはじまります。
「マンチェスターは1を、リバプールは2を…」
「路線に関する質問は1を、チケットの予約・購入に関する質問は2を…」
なんて言うやりとりが5~6回続いたのち、ようやくコールセンターに呼び出しがかかります。
3~4分呼び出してようやくつながったかと思うと、せわしない口調の女性のオペレーターがバスの会社名を名乗り、「How can I help you?」と聞いてきます。
まだまだネイティブの会話についていくことができていないので、電話口だと余計に相手が何を言っているのかわからなかったのですが、私の財産がかかっているので、何回も質問を聞き返したりしながら「財布を落としたこと」「~の路線に乗っていたこと」などを一生懸命説明しました。
15分くらいかけて電話した結果、最終的に返ってきたのは「今日すぐには見つからないから、見つかったら連絡する」というマニュアル的な返事だけでした。
骨を折って電話した割には、なんともあっさりとした終わり方。
とは言え粘ったところでどうにもならないので、とりあえずもう一度アウトレットモール内を探してみることに。
レストランまでの道のりをもう一度自分で歩き、レストランの店員さんにも「財布が落ちていなかったか」聞いてみましたが、「ない」という返事を得るのみ。
財布が見つかったときに備えて、この時点ではデビットカードにロックをかけていなかったのですが、さすがに見つかる気配がなかったので、スマホの銀行のアプリでサクッとデビットカードをキャンセル。同時にデビットカードの再発行もアプリで依頼しました。
こちらはそれほど手間がかかりませんでした。
もう何もできることがなくなった私は、友人2人にSNSでメッセージを入れ、家(ステイ先)に帰ることに。
バスに揺られて40分、自分の部屋に着いてスマホを開いてみると、Facebookにリクエストが届いていることに気が付きます。
知らない女性、しかも横文字の名前。
普段ならこのようなメッセージはスルーするところなのですが、ちょっとした期待を込めてリクエストを承認してみると、
「私の母が、あなたの財布を拾ったわ!」
というメッセージが!
メッセージを受け取って安心したのは事実ですが、それ以上に、財布を拾ってくれた人が、わざわざ手間をかけて私を探してくれたことがとても嬉しくて、感動しました…!
なんて親切なんだ、、、
とりあえず、Facebookをやっていて、しかもたまたまプロフィール写真の背景がリバプールだったことが幸いでした。
Facebookやっていて良かった…!
後日、財布を拾ってくれたご婦人の家まで、お礼の菓子折りを持って、財布を取りに行きました。
玄関先で穏やかに迎えてくれたご婦人。
その場で財布の中身も確認しましたが、何一つ手つかずの状態、完全に落としたときの状態のままでした。
「Thank you!」「I'm really grad!」「Appreciate!!」
持てる限りの感謝の語彙を全て駆使して、合掌して、お辞儀をして、親切なご婦人に全力で感謝を伝えてその場を後にしました。
その後、この出来事を、ステイ先のホストマザーと語学学校の先生に報告したところ、二人とも口をそろえて、
「イギリスでは考えられない」
「普通財布を無くしたら完全な状態で戻ってくることはまずない」
「君は本当にラッキーだ!」
と言っていました。
財布を拾ってくれたご婦人と連絡とってくれた娘さん、一緒に財布を探してくれた友人に、本当に感謝です。
とは言え、「もう二度と自分の持ち物を失くさないよう気を付けよう」と心に誓いました。