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イギリス生活1年半の近況報告のようなもの
街のあちこちで、マライア・キャリーやフランク・シナトラの歌声が聴こえてくるようになりました。
もうすぐクリスマスですね。
日本にいたときも、クリスマス前のちょっと浮ついた街の雰囲気は好きでしたが、ヨーロッパのクリスマスは日本のそれとは比べ物にならないくらい、Jollyなもので、街を歩き回るだけでも楽しい気分になれます。
前回の記事では、10月と11月は大学院の出願手続きに追われていた、というような内容を書きましたが、全くプライベートがなかったわけではありません。
大学の出願もプライベートのあれこれも、少し落ち着いてきたので、一時帰国からイギリスへ戻ってきてからのことを書こうと思います。
仕事のこと
私の所属するコミュニティの一つは、いわずもがな職場です。
イギリスの、チェスターにおける私の居場所の一つです。
日本への一時帰国から戻った際、地元の銘菓的なものを職場へのお土産に持っていきました。
こちらでは、旅行のお土産を渡すという慣習がないので、個包装のお菓子を同僚に配ると「なんだこれ?」って顔をされます。
「日本から持ってきたお菓子だよ~」
と、ちゃんと説明して渡すと、「なるほどね」って顔をして喜んでくれます。
味はおおむね好評だったのですが、やはり味覚は人それぞれ。
一口だけ口をつけて、残りがそのままごみ箱に入っているのを見かけたりしたときには、ちょっと悲しい気持ちになりました。
一方で、アジア系の人たちにはかなり好評でした。
フィリピン出身のおじちゃんポーターには、奥さんの分も渡してあったのですが、
「あれすごくおいしかったよ~!奥さんがすごく喜んでね~、今度日本に行ったときに探してみるって言ってたよ~」
というフィードバックをもらいました。
こういう一言は本当に嬉しいですね!
あと、個人的におもしろかったのは、個包装の中に入っている乾燥剤、通称「たべられません」にみんなが興味津々だったことです。
いちいち「何これ?」と聞かれるので、「袋の中の湿気をとるためのものだよー」とその都度回答していました。
そういえば、イギリスのお菓子って、乾燥剤入っていないっけ…?
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最近、職場のスタッフ食堂の壁に、さまざまな言語の「メリークリスマス」の文字が現れました。
どうやら、移民の多い我が職場では、従業員のそれぞれの母国語での「メリークリスマス」を掲示しているみたいです。
中国語や韓国語の表記が見当たらないあたり、ランダムに言語を並べたのではなく、ちゃんと従業員のネイティブ言語のみ、特別に用意しているようです。
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一番左下に、ちゃんと日本語の「メリークリスマス」表記もありました。
日本人の従業員は私一人なので、存在が忘れられていなくてよかったです。
人事のちょっとした計らいに、心がほっこりします。
バーミンガムのクリスマスマーケット
語学学校時代に一緒だった日本人の友人たちと、バーミンガムのクリスマスマーケットへ行って来ました。
バーミンガムは、どうやらドイツのフランクフルトと姉妹都市であるようで、フランクフルトのクリスマスマーケットのバーミンガム支部、という位置付けのようです。
看板はほぼドイツ語。読めないし発音できない…。
お店のスタッフもドイツ人割合が多く、接客もなかなかの塩対応。
ドイツに行ったことがないからわからないけど、ドイツ人ってこんな感じなのでしょうか…?
イギリス人の陽気でフレンドリーな接客とのギャップに、少々戸惑いました。
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寒くて暗い雰囲気のイギリスの冬でも、クリスマスの明るくて雰囲気は気持ちを上向きにしてくれますね!
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日本人の友人たちと会うのも久しぶりで、彼女たちもそれぞれ私とは違ったワーキングホリデーの生活を送っており、同じ日本人ワーホリ組同士で経験を共有するのも楽しいものです。
(そして同じ言語でストレスフリーに会話ができるということも超大事)
スロバキア人のバーテンダー
私が勤めるホテルのバーで働く、スロバキア人のバーテンダーと、たまに一緒にディナーや飲みに出かけたりします。
彼は、バーテンダーであると同時に、ワインソムリエで、ホテルのビバレージリーダーでもあり、レストランで提供するワインのセレクトや、バーで提供するカクテルの開発など、ホテル内のドリンクサービスについて全てを任されています。
五つ星ホテルかつミシュランレストランで提供するドリンクなだけあって、ホテルの格付け会社や情報誌などから何度も表彰を受けている人物でもあります。
そんな彼は、なぜか私のことをよく気に掛けてくれ、街に連れ出してくれるのです。
彼と出歩くチェスターの街は、他の人とのそれとは一味違います。
彼は、地元の個人商店主たちに顔が広く、色々なおいしいお店や、そのオーナーたちを紹介してくれますし、
「今度○○(とあるオーナー)が新しいお店を××にオープンするんだけど、(地元の)△△レストランのシェフがメニューを考案しているんだよ」
とか、
「彼はフランス人のワインソムリエで、俺の情報の仕入れ元なんだ」
とか、普通に暮らしているだけでは知ることのできない、チェスターのより「ローカル」な世界を経験させてくれるのです。
ローカルビジネスのコミュニティの一員とまではなれなくても、街に存在する外からは見えないヒューマンネットワークを覗き見できることは、チェスターの街としての進化の過程を知ることができますし、これは「エンターテインメントが少なくて退屈な地方都市での暮らし」をより面白くさせてくれます。
同時に、誰にもマネすることができない、「私だけのワーキングホリデー(YMS)ライフ」を送れることができている、という謎の自己満足に浸ることもできます。笑
これも、偶然彼と知り合うことができたおかげです。
私はやっぱり運が良い。
また、彼はイギリス人や他のヨーロッパからの移民の人たちと異なる性格の持ち主で、一言で表すと「ストイックかつシンプルな哲学の持ち主」です。
そのため、キリスト教的な感覚よりは東洋思想や仏教的な感覚の方が近く、私個人としては一緒にいて心地が良く、彼の哲学や思想はかなりの人生勉強になります。(「都会より地方の方がおもしろい」という感覚も私と似ています)
彼なくしては、私のワーホリライフを語ることができない、重要な存在であり、偉大な先輩です。
ちなみに先日一時帰国の際に、地元の日本酒を仕入れて彼にお土産として渡したのですが、
「こんなことしてくれる人、今までいなかった!」
と言って大いに感動してくれ、喜んでくれました。
なお、彼はイギリスでは数少ない日本酒ソムリエの資格の持ち主でもあり、日本酒の瓶のラベル(もちろん日本語表記)を見て、
「精米歩合60%の純米吟醸じゃないか!」
と言ってさらに喜んでいました。
(喜びのポイントがニッチ過ぎる…)
ちなみに渡した日本酒は、もったいなくてまだ栓を開けられずにいるとのことです。(はやく飲んでくれ)
新たな出会いと、それぞれの道
以前から、地元のランゲージエクスチェンジのサークルに所属し、毎週月曜日に、図書館のカフェで開催されるミーティングに参加していたのですが、日本への一時帰国を経て戻ってきたら、メンバーが劇的に増加していました。
一時帰国前だと、だいたいいつも5~6人程度、多くても7人くらいの参加だったのに対し、最近は常に10人以上がミーティングに参加し、多い時には20人近くになることもあります。
国籍もより多様になり、日本、イギリスをはじめ、アメリカ、フランス、ドイツ、スペイン、スイス、中国、台湾、メキシコ、トルコ、サウジアラビア、イラン、アゼルバイジャンなど、語学学校並み(下手したらそれ以上)に、様々な国の人たちと出会うことが出来ています。
多様で面白くなった反面、大人数になったことで、他人に会話を任せ、しゃべらなくなってしまった私がいるのも事実です。
そんな中、最近よく私の会話相手になってくれるのが、年齢の近いトルコ人の男性。
日本にいたときに、歴史上のできごとなどから「トルコは親日国」「日本とトルコは親密」なんていう話をよく聞いていたのですが、実際会って話してみると、どうやら間違っていないようです。
彼らは本当に日本と日本人が大好きです。笑
若干の偏見というかバイアス的なものがかかっていたにもせよ、本当にお互いに親近感があり、すぐに意気投合しました。
(特に首都アンカラ出身の彼は、ガラタサライSKの熱心なサポーターで、長友の話しで大いに盛り上がりました!)
あそこまで親近感と尊敬をもって接してくれると、こっちも同じように接したくなるものです。
日本とトルコは、やっぱり相思相愛なんですね。
「いつか絶対トルコへ行こう」
そう思わせてくれる交流です。
ランゲージエクスチェンジの他では、チェスターの語学学校に新たにやってきた日本人の生徒の人たちとも出会いました。
「日本人」というだけで自然とコミュニティができるのですが、北は北海道から、南は九州まで、出身地も年齢もバラバラ。
日本にいたら、絶対出会うことのなかったであろう人たちです。
「国」という大枠がある分多少似通う部分があるにせよ、当然、職業や経験はそれぞれなので、これまでの経験やその人の思考など、自分の知らない「日本」に触れることもできます。
また、日本人同士で、イギリスに来て気付いたことを共有することで、新たな発見もあったりするので、勉強にもなります。
なお、これは蛇足ですが、私がチェスターの語学学校に来て初めて出会った日本人(=一緒にバーミンガムへ行った友人)は、私の地元、それも私が働いていた市役所の隣の建物で働いていた人でした。笑
そんな奇跡的な状況でも出会うことがないのに、知らない日本人同士がイギリスの、チェスターという地で初めて知り合うのです。
これもまた、ある意味特別な出会いと言ってよいでしょう。
そして、出会いがあれば、別れもあります。
チェスターで出会った人のうち、多くの割合の人は、それぞれの母国に帰国し、自分の道を歩んでいます。
新しく就職する人、もとの職場に戻る人、起業する人、大学院へ進学する人、本当に様々です。
日本にいたときにはあまり意識しなかったことですが、多くの人が、自分の人生の選択に、自分で責任を持っています。
日本にいたときは、なんとなく「長男だし、地元に戻るんでしょ?」だとか「地方なら公務員か銀行員が安泰だよね~」なんていう、潜在的に敷かれたレールの上を自分で気付かずに転がっていました。
もちろん、そうせざるを得ない人もいますし、選択肢すら与えられない人だって相当数いるということは承知しています。
だから安易に「自分の人生、自分で選べ」なんていう巷ではやる自己啓発書みたいなことは言えませんが、少なくとも私には選択肢が与えられていたし、私は選択肢があることに気付くことが出来た。
そして私がチェスターで出会った多くの人々も、「選択する自由」を有しているのです。
昨今の世界情勢を鑑みると、これって本当に幸運なことだと思わずにはいられません。
だからこそ、私は今後も「選択」を続けて行きたいと思いますし、失敗しようが、後悔しようが、自分の「選択」に責任をもって生きていこうと思います。
最後に、先日、語学学校で一緒だった日本人の女の子から、ラインのメッセージが届きました。
彼女は語学学校にいたときずっと「CA(客室乗務員)になるのが夢」と話していました。
数か月前に語学学校を終え、日本に帰国して就職活動をしていたようなのですが、先日ついに念願かなって、外資系の航空会社のCAのポジションを勝ち取ることが出来たのだそうです!
彼女とは、語学学校の日本人仲間で一緒にたまにご飯に行くくらいの付き合いだったのですが、報告をもらってなぜか自分のことのように嬉しかったですし、わざわざ私に報告をしてくれたのも嬉しかったです。
競争倍率の高いCAの仕事を見事に勝ち取ったこと、これは紛れもなく、彼女が夢に向かって努力を続けた結果です。
とても夢のある報告に、私自身も「頑張らなきゃいけないな!」と、エネルギーをもらうことが出来ました!
これから夢の舞台に立つ彼女を、心から応援しようと思います!
ちょっと長くなってしまいましたが、最後までお読みいただいた皆様、今回もお付き合いいただきありがとうございましたー!
それではまた!