イギリスのクリスマス事情①~ファーザークリスマスがやってくる!?~
12月も中旬に差し掛かり、街のクリスマスムードも高まってきています。
日本ではクリスマスというと、
「サンタクロースがやってくる」
「カップルのイベント」
「ケーキやチキンを食べてパーティー」
というイメージが強いかと思います。
しかし、ここイギリスでは日本とは一味も二味も違います。
そこで今回は数回の記事に分けて、気になるイギリスのクリスマスの様子を紹介してみたいと思います!
"ファーザークリスマス"がやってくる!?
クリスマス、と言ってまず初めに思いつくのは「サンタクロース」ではないでしょうか?
私も子供の頃、毎年9月くらいから「早く来ないかな」と、待ちわびていたのを今でも覚えています。
赤くもこもこした服と帽子を身に纏い、プレゼントがいっぱい詰まった大きな白い袋を背負って、トナカイとともにクリスマスの夜空を駆け巡る。
そんな姿を思い浮かべるのは私だけではないはずです。
そしてその話をここイギリスですると、
「ああ、ファーザークリスマスね」
ってなります。
ここイギリスでは、サンタクロースのことを"ファーザークリスマス"と呼んでいるようです。
まさかのここでもアメリカン・イングリッシュとブリティッシュ・イングリッシュの違いが…。
というのも、サンタクロースとファーザークリスマスは、もともと全くもって別の人物だったようなのです!
ファーザークリスマスの登場
イギリスのファーザークリスマスの起源は、歴史を遡ると15世紀ころのクリスマスキャロルに登場するようです。
このキャロルでは、「キリストの誕生を街に周知し、祝宴の始まりを告げる人物」として、サー・クリスマスが登場します。
この「祝宴の始まりを告げる人物」が、時を経るにつれて「クリスマスの祝宴を盛り上げる陽気なおじさん」という人物像に変化していき、これに伴って名前も、キャプテン・クリスマスだとか、ロード・クリスマスというような名前に変化していったようです。
そして、「クリスマスの祝宴を盛り上げる陽気なおじさん」という人物像が、絵画や劇画などで「髭をはやした老人」として描かれるようになり、名前もそれにちなんでファーザークリスマスと呼ばれるようになりました。
完全にイギリスオリジナルの人物が「ファーザークリスマス」というわけです。
サンタクロースの伝説
一方のサンタクロースですが、こちらはもともと中世のヨーロッパ(おもにオランダ)の寓話から来ているようです。日本でなじみがあるのはこちらのお話ではないでしょうか。
由来は聖ニコラスというギリシャの司教。
この伝説が中世のヨーロッパで有名になり、絵画などには「髭をはやした老人」として聖ニコラスが登場するようになっていきます。
18世紀頃になると、オランダの植民地であったアメリカへ渡り、名前も、聖ニコラス(セント・ニコラス)という呼称が訛って、「サンタクロース」として伝わったと言われています。
さらに、この物語が19世紀のアメリカで発展して、
「荷馬車で夜空を駆け回る」「煙突からプレゼントを届ける」
という特徴が加えられて詩に現れるようになったのです。
サンタクロースとファーザークリスマスの融合
アメリカで発展を遂げた、今日のイメージに近いサンタクロースの物語は、19世紀中頃にイギリスへと上陸します。
1864年のアメリカ人作家のスザンナ・ウォーナーの物語の中には、サンタクロースとファーザークリスマスが同時に登場しているようです。
そして時を経るにつれ、サンタクロースの物語がイギリス国内に浸透していくのですが、名前はなぜかファーザークリスマスに置き換わってしまったみたいです。
「髭をはやした老人」という共通する絵画のイメージが、イギリス国内の人々の中でごっちゃになってしまったのでしょうか…。
まとめ
というわけで、簡単にまとめてみると、
イギリスで誕生した「髭の老人」ファーザークリスマスと、
オランダ由来、アメリカで誕生した「髭の老人」サンタクロースの物語が、イギリスで同時に語られるようになった結果、
ファーザークリスマスがサンタクロースになってしまった
ということになります。
調べてみたは良いものの、個人的にはあまりしっくりと来ない結論でした。笑
今回はイギリスの"ファーザークリスマス"についてお伝えしてみました。
最後まで読んでいただいた皆さま、ありがとうございます!!
次回のクリスマス記事もお楽しみにーー!!☆彡
<参考>