私は私で後にも先にもない「過去形」の告白をしていた
前回のコラムを書いてから、あの時の記憶がふわふわと蘇ってきた。
そして私自身も後から変な告白をしたことを思い出した。
友達の恋人となったBに「2番目に好き」と言われ、1番好きだったAが天使みたいな子と付き合った後だったと思う。
失恋も久しぶりすぎて「恋に恋した」感じで、いくら脳天気でも軽く凹んだ。(数ヶ月後には、別の人を好きになった気がするけれど)
それから半年以上たってからだろうか。
1年でクラスは解散し、顔を合わせる回数も減っていた。
でも久しぶりにAと帰り道が同じになると、なぜか私はあの時の気持ちを伝えたくなっていた。
テスト勉強かなにかを口実にして家まで呼び出し(またしても今思うと怖い…)
久しぶりにおしゃべりしながら
急に私はかしこまって
「ずっと伝えたかったことがあるんだけど」と切り出し、
「あの時、好きだったよ」と告白した。
Aは面食らって、珍しく顔を真っ赤にして(手慣れた男の子だったので見たことない顔だった)
「そんなん言われると思わへんかった。ありがとう」
と答えた。確か夜に差し掛かっていた。
バイト続きでお疲れ気味だった彼を見送り、私の中ではなにか一仕事を成し遂げたかのように充実感があった。
任務完了。
数日後、いい知らせもあった。
例の2番目のBが私にそっと話しかけてきた。
「Aに言ったんでしょ。かわいかったって言ってたよ」
!
それだけで満足だった。
負けてるはずなのに、謎のしてやったり感。
その時の私には、恋のほかに打ち込むことがたくさんあったし、次なる「気になる人」もいた。
過去形の告白も、この時が最初で最後だっただろう。