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早く行けば良かった!一度は行きたい屋久島はやはり一度は行くべき島だった vol.3

屋久島の洗礼

ふと時間を見ると、楽しみ過ぎてタイムコントロールできていなかったことに気づく。急いで下山しなければ、昼からスコールが来るという天気予報を思い出す。しばらくすると薄暗くなり、空の雲行きが怪しくなった。間もなくして小雨が降り始めた。合羽を羽織り、途中木々の合間で休み休み下山する。雨粒が大きくなり、突然、激しいスコールに襲われる。雨の音が耳をつんざくようで、友人との会話もかき消される。リュックから取り出したレジャーシートを屋根のように広げて雨宿りするが、雨はまるで滝のように降り注ぎ、瞬く間にびしょ濡れになった。

15分ほどすれば落ち着くだろうと思ったが、結局5分もしないうちに登山道には水たまりができ、足元が滑りやすくなる。このまま激しい雨の中を進むべきか迷ったが、慎重に、ゆっくりと下山することを決意する。とにかく今は安全第一に下りていかなければいけない。足元が滑りそうになる中、ところどころ掴まるところがない木道を、やじろべえのようにバランスを取りながら超えていかなければいけない難所もあった。皆、これをもっと土砂降りの雨の中でも渡っているのだろうか。自分がSASUKEにでもチャレンジしているような不安な気持ちになりかけた頃、雨が小降りになって安堵感が広がる。予想通り15分で雨雲が流れていったようだった。

雨上がりは森が瑞々しくなり光って見える

スタート地点が近づくと、いくつか巨木に出迎えられたが、森の奥地で散々見続けてしまい感動が薄れてしまっている自分がいた。「ごめん、今は早く出ないといけないからまた来るね」、そう声をかけて足早にそこを過ぎ去った。しばらくすると入口近くに戻ってきたことが分かった。この森から離れなければいけないと思うと一気に寂しくなったが仕方がない。またいつか来よう、そう思いながらゴール。名残惜しい気持ちはありつつも、無事に帰還した気持ちでいっぱいだった。

森へ一礼して「ありがとうございました」と言って、「お疲れ様」と友人と声を掛け合った。達成感と疲労感がじわじわとやってきて、バスに乗ったら撃沈だろうな。それも心地よいかも。そんなふわふわした気持ちになっていた。が、それもつかの間。帰りのバスを調べてみたら、すでに最終が先ほど出てしまっているという。

なんてこったい!

再び入口に戻って係員のおじさまにタクシーを呼べないか聞いてみる。「この時間は、皆、縄文杉の方に予約で行って出払ってることがほとんどなんだよね。しかもつかまったとしても、町からくるから30分くらいかかるかもしれないよ。」なめていた。もう屋久島に来て何度つぶやいたことか。

すると、「今から下に数キロ下ったら、縄文杉の方から帰るバスに乗れるはず。だから、そこまで下りて行って、合流ポイントの停留所から乗ると良い。そのバスに乗ったら最後の停留所で降りて、そこで乗り継げば町へ行けるはずだから。」なんと素晴らしい助け舟。「ありがとうございます!」そういって、早速私たちは足早に歩き始めた。その乗りたいバスにも猶予はなかった。今日は何キロ歩いているだろうか。幸い下りだったからまだいいけれど。とにかく乗り継ぎ乗り継ぎバスに乗り、無事に宿にたどり着いた。ずいぶん長い旅路の気分。今宵はたくさん食べまくろう。そう思いながらシャワーを浴びてさっぱりとした。

地元の居酒屋さんへ

前日の夜、宿の近くということもあり早めの時間に予約なしで訪問すると満席。予約が必須のようで予約をして本日再訪した。そのお店は『いその香り』さん。予約時間に行くと、店内はすでに満席で賑やかな雰囲気。座敷にいくつかのテーブル席もあるが、店内も外で見るよりも広く、すでにガヤガヤとしている。外国人も日本人も地元の人もいるようで様々な客が楽しんでいる。こういう雰囲気は大好きだ。それもそのはず、どの料理も本当に美味しくて素晴らしかった!特に地魚の種類が豊富で、感じの良い店員さんに、これまでに出会ったこともない名称のメニューを説明をしてもらいながらオーダーするのも楽しい。聞けば聞くほどすべて食べたかったけれど、さすがに食べきれず断念した。

今が旬という魚 聞いたけど覚えきれない


クリームチーズと地元で獲れた魚の燻製 


一緒に行った友人は、関東ではあまりお目にかかれないというスコールを見つけて感激していた。大好きな飲み物らしい。それまで知らなかったけれど、スコールは宮崎生まれの飲み物なんだって。翌日もスーパーで買いこんでいた友人はしばらくスコールを飲んでいたようだった。

2日目の夜の終わり

明日は、ずっと楽しみにしていたガイド付きのツアーが控えている。この期待感が、さらに心を高ぶらせる。早く体をほぐし、明日に備えなければならない。まだ旅の2日目だというのに、すでにこの場所を離れることが名残惜しく感じられている。

つづく…

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【いその香り】予約は必須
住所 鹿児島県熊毛郡屋久島町安房788-150
営業時間 11:30〜14:00/18:00〜22:00
休業日 火曜日
電話番号 0997-46-3218
Facebook https://www.facebook.com/yakushima.isonokaori/



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