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森林浴ファシリテーターとは?

はじめに


私は森林浴ファシリテーターです、と自己紹介すると、必ずと言っていいほど(今のところ100%)「それは何ですか」と聞かれます。
ということで、ここではこの質問に対してお話したいと思います。


森林浴とは?

森林浴ファシリテーターのお話の前に、まず森林浴について少し触れておきます。

実はこの森林浴というもの、日本発祥だと知ってましたか。
かくいう私も、森林浴のことを詳しく学ぶまで全く知りませんでした。

1980年代、当時の林野庁長官が提唱したもので、森に多くの人が訪れてリラックスしてもらい、日本の森の価値を高めようという目的でこの言葉が作られたそうです。

そして、誕生から約40年を迎える森林浴は、世界でも「Shinrin-yoku」として紹介され、今では誰もが好きな時に、自然の中で手軽にできる健康増進の方法として、多くの国で森林浴が推奨されるようになりました。
しかも、ただ気持ち良いというだけではなく、これらはきちんと研究されてエビデンスとしても健康にいいことが分かっているのです。

森林浴ファシリテーターとは

私自身は、一般社団法人森と未来で行われている森林浴ファシリテーター講座で色々なことを学びました。その代表である小野なぎささんは、次のような思いでこの講座を開かれていると言われました。

「日本の国土の大部分が森なのに、最盛期を向かえている日本の森は放置されているところが多い。それは日本の林業が抱えている問題が大きくかかわっている。そこで、森で木を伐るだけでなく、森林空間を活用するという発想で、健康や教育、観光など新たなサービスを提供する。そうして全国の森にお金が落ち、整備される仕組みづくりを行いたいと思ってる。その仲間をたくさん作りたい」

『Shinrin-yoku Facilitator®︎』
森林浴の活動に関わる全ての人と、地域の森がより良い状態となるような活動を導く人です。具体的には、森ととともに暮らす地域の人、森へ誘う人、森を訪ねる人、など関わる人の健康に有益な活動であり、森林浴を通じて森を守り、持続可能は人と森の関わりを生み出せるよう働きかけます。

引用:一般社団法人森と未来

Shinrin-yoku Facilitator®︎とは、簡単に説明すると、森や森のある地域、森に来てくれる人、森林浴などのイベントなどを企画する人(場所)など、そういった森にまつわる方々の調整役の役割を持った人です。(以下参照)

森にまつわる皆様の橋渡しとなって考える人


森林浴ファシリテーターの役割

Shinrin-yoku Facilitator®︎は、地域の森で森林浴を企画する、森林浴に関わる仲間をファシリテートする、森林浴へ誘う、森林浴の魅力を伝える、森林の維持保全に貢献する、などさまざまな役割を担っています。

引用:一般社団法人森と未来

実際の活動事例

■イベント企画

各地でイベント企画、開催しているメンバーが多いです。
特に、一般社団法人森と未来が音頭を取っている年の一度のイベントは、全国のフィールドの森の団体が任意ですが集まって行っています。

『Go to forest!~全国の森を一緒に歩こう~』
毎年5月4日みどりの日に開催しているイベントです。
多数の森林浴ファシリテーターが、地元やサポートしているフィールドにて参画しています!

私も初めて企画開催を行ったイベントです。↓こちらイベントレポ です。

また、森林浴ガイド以外にも、地域と森を繋ぐ活動をしている方はたくさんいます。外国人向けの森林浴ツアー、企業研修、環境教育、コンサルタント、などなど。

魅力的な活動をされている方が多数いますが、いつかこのnoteで紹介したいなと思います。


全国各地で森林浴ファシリテーターが活動しています。
森林浴マップ (https://shinrin-yoku.jp/search/
森林浴マップにはお勧めの森や、そこをガイドできる森林浴ファシリテーターや森林ガイドが紹介されています。



森林浴ファシリテーターになるには

特に資格や経験が必要ということはありません。
すでに同じような役割を持って、活躍されている方も全国にはいるかと思います。

ただ、私は全く森や森林に関わる仕事をしておらず、未経験で知識もゼロ。
森が好き、森林浴が好きという熱意、地域の森をもう少し活用できないだろうかというもったいない精神、森林浴をする人がもっと増えて健康になったらいいのに、というおせっかい願望で、以下を受講して今に至ります。

Shinrin-yoku Facilitator®︎養成講座
一般社団法人 森と未来 (Future with Forest Association)

Shinrin-yoku Facilitator 養成講座では、①半日の事前講習(オンライン)+②3日間の集合研修+③6ヶ月間の実践ワークを行います。

今のところ1年に1回しか受講がありません。
(ここ数年は5月に集合研修が行われています)
ご興味のある方は、まずは日程を確認するところからお勧めします。

『Shinrin-yoku Facilitator®︎成講座』(抜粋)

■こんな方が受講しています
森ある地域に暮らしていて
・地域に森があり、森林浴で森を使ってみたい。
(けど、何からしたらよいか、誰に言ったら良いかわからない)
・木を伐る以外の森の活用方法を考え、実践してみたい。
・何か事業に繋がる森の活用を考えたい。
森から離れた地域に暮らしていて
・周りに森はないけど、都会の人を連れて森林浴をやりたい。
・都会の人を森に連れて行くための手段として森林浴を学びたい。
・森の中で人材育成を企画したい。
・森林浴を通じて人と森の関わりを考えていきたい。
・これからは何か自然に関わることをしていきたい。

■この講座を受講すると
実際に自分が活用してみたい森で、森林浴を行う方法や手順がわかります。地域のため、今を生きる人のため、森のため、を考えた森林浴の取り組みを先導することができます。また、同じ思いを持つ方々とネットワークができ、適切なアドバイスをけることができます。
<活動例>
・地域の森で森林浴の体験イベント企画
・森林浴を活用した企業研修
・林業地を活用した森林浴体験イベント企画 など

引用:一般社団法人森と未来


屋久島の紀元杉前にて

まとめ

森林浴ファシリテータ(Shinrin-yoku Facilitator®︎)としての役割は、単に森を訪れることではなく、森がある地域と自然環境をつなぐ架け橋となることです。私たちは、森林浴を通じて心身共に健康になって、皆さんが自然の恩恵を再認識してもらうことを目指しています。

私自身は、ファシリテーターとしてはつながりを絶賛構築中ですが、五感を使った森林浴を行うことで、自分が自然や地球の一部であることを改めて感じさせてもらっています。そのような体験を通じて、私たちは有限であるこの地球で、人も植物も動物もどうやって共に生きていけるかを考えるようになります。これは、私自身にとっても大切な気づきとなっています。

またこの講座を受けて、同じように森好きな人、森や自然に関わっている人など、たくさんの方と繋がりを持ち、想いを語ることができることが、私にとって大きなものとなっています。

今後も、森林浴ファシリテーターとして、皆さんが自然とのつながりを感じられるようなきっかけを提供していけたら嬉しいです。

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