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☆詩-5 変わる世界、変わらないモノ

 何気なく付けたテレビ番組で見たのは昔のドラマ、再放送。
 先の未来を知る自分と、未来に夢や希望を抱いている当時の自分。未来はこうあろうと計画を立てていた自分がいたのを思い出す。
 時代は変わり、あの頃には思いもしなかったモノで周りの世界は溢れている。
 コレはあるだろうと、数々の道具を予想して作られたSF映画のようなものが、まだ出来ていない現在。だけど当時は魔法のように思っていたモノがいくつか日常化されている現在。
 毎年毎年、何かが変わっている。
 毎年毎年、何かが無くなっていく。
 変化は少しづつ、小さいものだが着実に、人間もその変化に少しづつ馴染み、不要なモノを省いていく。
 変わっていく光景に、自分は慣れていくしかない。

 変わり続ける世界。何かが無くなっていく世界。
 車が空を飛ぶかもしれない話題がある。
 無人店員の店が増えつつある。
 ドローンが仕事やイベントで使われていく。
 友達とは言葉数より文字数が多い時代。
 便利になり続ける世の中、それでいいかと悩む人がいる世の中。
 顔も名前も知らない誰かの文章が誰かの人生に影響する世の中。
 生きやすいのにどこか窮屈さがある世の中。
 誰かは生活を変えずに生き続ける。
 誰かはあちこち動き続けて生き続ける。
 誰かは変化を求め続けて生き続ける。
 誰かはひとところに居続けて生き続ける。
 正解か不正解かを決めるものでもないのに、正解か不正解の不安を抱きながらも、みんな変化する世界で生きていく。

 世の中はどんどん変わっていく。広い目でみると変化の波は大きく見える。けどもっと身近を見渡せば変化なんてゆっくりだ。
 なにもかもが変わるわけじゃない。変わらないモノもある。
 趣味に選ばれるのは昔からあるものが多い。
 誰かが作った料理はやっぱり美味しい。
 人間同士が対面で話すのは、まだまだ多数派が占めている。
 幼児が手を振れば笑顔で振り返す人がいる。
 仕事終わりにコーヒーを飲むひと時は心地いいまま。
 昔から変わらない風景はそこら中にある。
 陽が昇り、陽が沈む。夜が来て、また朝が来る。
 何もかもが変化している訳じゃない。
 変わらないものも、維持し続ける動きもある。
 変わる光景、変わらない光景。
 失っていくもの、失わせない働き。

 考えても仕方ない。
 今日も日常の、昨日とはあまり変わらない平凡な現在いまを生きるだけ。

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