見出し画像

名作JRPG、「グランディア」を今更やってみた

なぜプレイするに至ったか

1997年にセガサターンで発売された、屈指のJRPG「グランディア」。
「屈指の」とか偉そうに言ってるが、最近まで存在すら知らなかったタイトルだ。

2022年2月、とある感染症にかかってしまい、10日ほど強制自宅療養となってしまった。
熱や症状が引いた後、さてこの空白の時間をどうしようかと考えたところ、そういえば以前、友人と懐かしのゲームについて話した時に勧めてくれたタイトルがあったなと思い出した。
それが「グランディア」だ。
早速Steamで検索。「グランディア HD」なるものが販売されており、2200円とお手頃価格のため購入。

そこから3日で35時間という、狂気の一気プレイをした。

グランディアをプレイしてみて

一本道システム

ストーリーは王道、14歳の少年ジャスティンと仲間たちの世界を巻き込む大冒険譚。
サブイベントや横道はほとんどない、一本道のストーリー。
だがそれがちょうど良かった。

美麗なグラフィック、オープンワールド、膨大なサブイベント、アップデートによる追加要素などなど、引き込まれる要素満載な今のゲームも好きだが、どうしても最近は腰が重くなっていた。
なぜなら、自分のRPGプレイスタイルは隅から隅まで完全クリアしないと気が済まない凝り性タイプだから。

攻略サイトを見ながら、アイテムの取り逃しはないか、サブイベント条件はクリアしてるか、など確認作業が膨大で、楽しいのだがどうしても疲れてしまう。(自分で自分の首を勝手に締めているだけ)

そういう意味では、一本道のこのゲームは、ゲームを始めるハードルがとても低くて取っつきやすかったし、なにより攻略サイトを見ることがほとんどなく、純粋にストーリーを楽しめた気がする。

「昔は良かった~」系の懐古厨は嫌いだったが、今はちょっと気持ちがわかる。

最高のキャラたち

仲間キャラがちょうどいい人数で、個性的すぎないけど、ちゃんとキャラ立ってる感があった。この絶妙具合は素晴らしい。
そして基本的にみんな底抜けにポジティブ。否定的な言葉が少ない。
これが本当に、なんというかゲームしてて救われた。

年上ヒロインのフィーナの存在は、当時プレイした少年たちに「年上のお姉さんフェチ」を爆誕させたに違いない。
ジャスティンとの関係性も、頼りあえる爽やかさとアオハル感がとてもよかった。

初期メンバーのスーは、嫌みじゃない純粋さが輝いていて、最高に元気もらった。一番育ててたし、成長アイテムは全部スーに使ってたし、初期装備のママのお守りは最後まで売らずに持ってた。

後半に仲間になるラップ。
技を発動すると「オラボケ殺すぞ!」
炎魔法を使うと「100億万度だオラ!」
敵を倒すと「100倍かかってこい!」
と、普通に口悪い&極端にオーバーな数字を言うのがめっちゃ好きだった。
今のゲームではコンプラ的に、ここまでちゃんとした悪口を言うキャラは作れないだろうな。

気持ちを揺さぶられるイベント

そして、個人的涙が出た2大イベント、母の手紙・スーとの別れ。

母に黙って旅立った日、いつの間にかポケットに入っていた母の手紙。
母はいつまでも母だし、自分のすべてを、言わずともわかってくれている唯一無二の存在。
心配してくれるのも、怒ってくれるのも、見守ってくれるのも母だった。
本当に偉大。
そして、ゲームをプレイして素直にそう思える家庭環境で育ててくれた現実の母に感謝。

そしてスーとの別れ。
これボロボロ泣いた。スーは初期メンバーかつ、最終メンバーだと思ってたから。一番好きだったから。

でもスーの気持ちもわかる気がする。

彼(ジャスティン)のことが大事で、彼の夢も応援している。
彼の夢の道中に、自分も一緒にいたい。
しかし年齢、体力などいろんな問題が出てくる。
たぶん何かあった時、彼は優しいから自身の夢より、自分のことを選んでくれるだろう。
その優しさを知っている分、夢の重荷になっていると感じて辛かっただろうな… 
自分があともう少し大人だったら、一緒に旅をする体力があったら、と何度も解決しない自問自答をしたと思う。
隣にいられるフィーナの存在をうらやましく思う気持ちや、焦る気持ち、そして仲間にそんな気持ちを感じる自分への罪悪感もあったのではないか。

そして別れ際、最後まで笑顔でいようとするスーに涙が止まらなかった。
最後に、本当はずっと一緒に旅がしたかったことを、伝えられてよかった。

勧めてくれた友人に、「スーとの別れやばかったわ…」と連絡すると、「8歳やけんな」と返事が来た。
8歳!?!?

ジャスティンの、1度しか使えない転送機能を迷わずスーに使うところも、最高によかった。

一度きりだからこそ、いちばん大切なことに使いたいんだ

いろんな垣根を超えた、素晴らしい関係だと思う。
そしてクリア後、大人になったスーを見て、このゲームをやってよかったと心から思った。

王道かつ洗練されたシナリオ

設定としては、冒険に出た主人公が、ついには世界の危機を救う…!的な王道だが、決して安っぽくはなかった。むしろ洗練されていた。

そして、これでもかというくらいの壮大なハッピーエンド。
仕事や人間関係で消耗していた心に、染み入った。

世界の破滅を防ぐには、ヒロインの命と引き換えにするしかなく、もう救う方法はない、という大人の事情を叩きつけられたジャスティン。
打ちひしがれている上に、
「あなたといたことは時間の無駄だったようですわ」
「とっととくたばっちまえ!」
と、各々ひどい言葉を言って離れていく仲間たち。
そして雨の降る砂浜を一人で歩く。

このあたり胸が締め付けられた。

絶望の中、自分はこれからどうしたらよいのか聞くため、賢者のもとへ。
するとかつての仲間たちが叱咤激励に…!

このあたりのシリアス展開、答えを他者にすがる歳相応の未熟感、「仲間がいるよ!!!」(ルフィ)的な、今まで積み上げてきたものを信じる怒涛の展開、全てがめっちゃ好き。

ゲーム性

とにかく、いい意味で会話力のあるゲームだった。
「これ本当に1997年のゲーム? 会話に盛り込んだテキストの量すごくない?」と感じたくらい、なんでもない町の人との会話にもしっかりとテキストが用意されていた。

キャラクターの表情カットのイラストも多く、キャラへの愛が深まった。

戦闘はやや単調だけど、今やっても面白いということは当時は画期的だったんじゃないかと思う。
ただAI機能は恐ろしく使えないので、オート戦闘にしたら速攻で全滅してビビった。

総括

刺さりまくった、良ゲーだった!
この年齢になってプレイしたというのも、良いエッセンスになったと思う。本当にやってよかった!!!

友人から「Ⅰが至高。ⅡとⅢは別に続編ってわけじゃないし、やらんでいいよ」とのことなので、他のナンバリングはやりません!!!

いいなと思ったら応援しよう!