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アバターたちの時代~Mii・PSHOME・XBOX~


ゲームやソーシャルネットワークなどで使われるアバターサービス。

自分を示すアイコンとしてインターネット上などで使われ、特にモバゲータウンやGREEなど2000年代中盤に隆盛したソーシャルゲームサイトなどでは盛んに取り入れられていた。

そんななか同時期の家庭用ゲーム機でもそうしたアバターが登場し、Wii、PS3、XBOX360ではそれぞれアバターサービスが展開されていた。

今回は任天堂のMiiをはじめとして、プレイステーションやXBOXのアバターサービスについて書いてみようと思う。

『Mii』Wii(任天堂)

2006年発売のWiiとともに登場したのが『Mii』。
Wii本体に内蔵された『似顔絵チャンネル』を使って作成することができる。

アバターを構成するパーツやアイテム自体は多くはないが、組み合わせ方や配置を工夫してさまざまなMiiをつくることができ、Wii本体に加えWiiの操作に使う『Wiiリモコン』にMiiを保存して、ほかの人のWiiにリモコンを接続して持ち寄って遊ぶことができる。

他のアバターサービスとくらべて、Miiは頭身が低くデフォルメされた体形や表情をしており、その『Mii』という語感から親しみやすい印象を与えている。またゲームによっては言葉を喋ることがある。

ほかのゲーム内に登場させたり、Miiそのものをフィーチャーしたサービスやゲーム(トモダチコレクション、Miitopia)が発売されるなど、アバターの枠を超えたひとつのキャラクターとして存在を確立している。

・その後のMii

Wiiの後継機『Wii U』でMiiはアカウントと紐づけられた。『Miiverse』というSNS型のコミュニティや『Miitomo』というスマートフォン向けアプリが展開された(どちらもサービス終了)。

現在では『ニンテンドー3DS』のすれちがい通信や『Nintendo Switch』、任天堂のオンラインサービスなどでその姿を見ることができる。

また『大乱闘スマッシュブラザーズ』に『Miiファイター』として参戦をし、フィギュア化もされた。

―Miiの個人的な思い出―
いまでも一番よくみるアバターで、任天堂のオンラインサービスにアクセスすると毎日見かける。

また3DSの『すれちがい通信』に数年間凝っていた時期があり、すれちがった相手のMiiのコメントをみるのが楽しみで毎日持ち歩いていた。
ひたすら『ファーゼライ!』というコメントを送り続けるMiiがいたらそれは自分です。

『PlayStation Home』PlayStation3(SCE)

2008年にPS3でサービスが開始された『PlayStation Home』(PSHOME)はPlayStation Networkを使用したオンライン仮想空間サービスだ。

他機種のアバターはゲーム機やシステムに紐づいたものだったが、『PlayStation Home』のアバターはこのサービスのなかで完結するオンラインゲームに近いもので、やや趣が異なる。

アバターの頭身は高く、顔や衣服もリアルな質感で作られており、アクセサリーなどもとりつけることができた。また、プレイするPS3のゲームによっては特定の条件でアバター用のアイテムが手に入る『リワード』というシステムがあり、それをアバターに装着することができた。

『PlayStation Home』はアバターを介したほかのプレイヤーとの交流に加え、メーカー側の用意したイベントスペースである『ラウンジ』を見てまわり、アイテムを購入するといったことができた。

こうした『SecondLife』に代表されるメタバース型のコミュニティを運営し、ユーザーに基本無料無料で解放していたサービスは現在でもあまり例がなく、サービス終了後も根強いファンが存在している。

・その後のPSHOME

PSHOMEのサービスは2015年には終了した。
PS3の後継機『PS4』では同系統のサービスやアバター作成機能は展開されていないが、オンラインコミュニティで興味の近いユーザーとメッセージをやりとりすることができる。

―PSHOMEの個人的な思い出―

ものすごくおもしろそうなサービスだったが、当時自分のインターネット環境に難があり数回しかアクセスできなかった。
それでもグランゼーラのラウンジに行ったときの記憶はとても印象に残っている。

『Avatar Editor』Xbox360(Microsoft)

PSHOMEとほぼ同時期に2008年のアップデートによってXBOX360にもアバター機能が登場した。

ここまでMiiとPS3のアバターを紹介してきたが、このXBOX360のアバターはその中間といえるような頭身と外見をしており、もともと用意されたアイテムに加え、オンラインストアからアクセサリーや服を購入できる。

また対応しているゲームがあればこのアバターをゲームに登場させることができ、またゲーム内の『リワード』の条件を満たせばアバター用アイテムを手にいれられるなど、結果的にシステム面でも他機種のサービスと近いものとなっている。

XBOX360のアバターを登場させるゲームはメーカー各社でいくつかあったが、XBOXのオンラインストアには『XBOX Live Indie Games』(XBLIG) というインディーゲーム市場が存在しており、ここではアバターを使ったゲームが数多く存在していた。
このXBLIGのストアはいくつかの良作も生まれた一方で、アバターを使用しただけのあまり出来のよくないゲームがあまたリリースされるなど混沌とした様相だった。

・その後のAvatar(XBOX)

現在でもXBOX360の後継機『XBOX ONE』でも引き続き360版のアバターを使用することができる。

なお、XBOX ONEでは別の新しいアバター作成機能が追加され、より細かくアバターを作れるようになった。
しかし必ずしも新しいバージョンを使う必要がないため、ひとつのゲーム機に新旧ふたつのアバター作成機能が存在している状態となっている。
旧バージョンのアバターに愛着があればユーザーはそちらを使用し続けることもできる。

またWindowsPC向けのアプリが提供されており、そこからアバターをカスタマイズすることができる。

―Avatar(XBOX)の個人的な思い出―

とにかくインディーゲームでよくみたアバターゲー。猫も杓子もアバターだらけだった。
「またアバターかよ!」と思いつつもストアをみるのがすこし楽しみになっていた。

最初はそれほど愛着のわかなかった自分のアバターも、新しいアバター作成機能が肌に合わず(食わず嫌いともいう)何だかんだでいまだに変わることなくXBOX ONEに居すわっている。


以上、自分なりに2000年代中盤のゲーム機で展開されたアバターについてまとめてみた。

現在ではより広くSNSが一般に浸透し、アカウントやアイコンを作ったとしても、往時のような外見を細かく設定するようなアバター作成機能を用意するようなサービスはかつてほどはない。
と思ったら、一方でVR空間でVtuberというものが出てきたりしている。最後の最後まで頭からすっかり抜け落ちていた。

当時アバター作成機能がそれぞれ展開されたのは、もともとあったMMORPGのようなオンラインゲームが本格的に家庭用ゲーム機に入りつつあったことや、『Second Life』といったメタバース型のコミュニティの存在、日本では携帯電話向けのソーシャルゲームが流行していたことも関わりがあると思う。

このnoteを書くに当たって改めて三機種のアバターを見比べると、外見やシステム、ユーザーの利用方法がそれぞれ三者三様に違っているところや、他のサービスのどこを取りいれようとしたのかが見えておもしろかった。

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林與五右衛門(よごえむ)/Hayashi Junpei
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