2024.10.14-16 今日はその日ではない
・疲労と睡魔に敗北。すいません、3日分書きます。
10.14
・「侍タイムスリッパー」を見ました。ネタバレ回避のため最下部に。
・朝9時にTOHOシネマズ新宿で見たのだが、新宿ピカデリーの9時の回で扮装舞台挨拶(キャスト陣が撮影時に着た衣装で登壇する舞台挨拶)をやっていたことを映画を観た直後に知り、感想戦をしながら「面白かった~~~~~ッ……」と苦々しい顔をするという、謎の感情を表出する存在となった。
・3日連続で映画館に通ったので全ての予告に既視感がある。「八犬伝」の予告はなんか1つの映画の予告で2回流れたりしたので4回見た。なんなら8月末~9月で「ラストマイル」を見に数度通ったので、もう映画泥棒にワクワク感がない。ポップコーン男とドリンク男の挙動をじっと見つめたりなどしている。
・TOHOシネマズの上映前の注意ムービー、9月頃から変わった?全体的にテンポ感がゆっくりになったし、「NO CELLPHONE」から「NO LIGHT」になった。スマートウォッチが組み込まれている。確かに意外とチカチカするしそれなりに光量もあるんだよな。寝る直前に思う。
・こういう変化に気付いているぐらいには映画館に通っている。映画鑑賞が趣味というほどではないんだけど、恐ろしや。
・映画を見て飯を食った後、駒場東大前まで行き旧前田家本邸へ。
・加賀の前田家(前田利家とかの家系)16代の頃に建てられた屋敷だ。洋館と和館があり、洋館1階は外国の賓客をもてなす迎賓館として、2階は実際に生活するエリアとして使用されていたらしい。和館は特別な時に使う。特別な時に使う屋敷があるのが既に金持ちという感じだ。これが、華族。
・こういった類の文化財となっている邸宅はよく見に行く。皇族の別邸だったり、財閥家の初代が建てた家だったりと様々だが、「金」と思うのは共通している。
・とはいえ、皇族や華族のような歴史ある高貴な家柄だと、特に生活のエリアでは洗練された品のある家だ、という印象を持つ。金をかけるべきところではかけ、落ち着きのある意匠をクリティカルな位置にだけ入れる、といった能力。デザインは当然プロに頼んでいるだろうが、そういうセンスがあるプロフェッショナルを選べるという力。感嘆してしまう。ちなみに旧前田家本邸の施工主は竹中藤兵衛、竹中工務店の創設者の名を襲名した男だ。何代目かは忘れてしまいました。
・対して、赤坂の迎賓館だったり財閥家の初代の家だったりは、びっくりするぐらい豪奢だ。赤坂のそれはちょっと困惑するぐらい華やかだし、普通に現役で使用されている場所なので、一度行ってみるのも良いと思う。たまに海外の大統領とかと首相が会談するんで……みたいな理由で閉まる。予約すれば前庭でアフタヌーンティーもできます。
・その豪奢さは財力や技術力の誇示であり、賓客に見下されないための威嚇なのだろう。財閥家の初代ともなれば尚更だ。相手に対等な相手として見てもらうための、オーラを纏うための屋敷。一切の知識なく喋っているので信用しないでほしいが、見た感じの印象としてはそんな感想が出る。
・豪奢なのが悪いわけではない。むしろ私はガキすぎるのでピカピカしているとテンションが上がる。あの金のかけ方で下品さを感じさせないまま派手にするにはかなりの技術とセンスが必要なはずだ。「成金がよォ……」とはちょっと思った。
・近所の日本近代文学館を覗く。
・いい展示やってないかな~と思ったら編集者に着目した展示が開催されていた。作家への原稿の催促の手紙や、作家からの遅延の謝罪への対応などの苦労を感じる諸々が展示されている、という説明を見て、「すみません」「助けてください」「大変申し訳ございません」「殺してください」と思ったので見ずに撤退した。私は彼らを笑うことができない。
・代々木上原へ移動し、東京ジャーミイへ向かう。
・普通に使用されているイスラームの礼拝堂だが、観覧は自由らしい。入口でスカーフ(と記載されていたが、いわゆるヒジャブだろう)を巻き、荘厳な室内へ。
・かなりすごかった。高い天井やステンドグラスが神々しい雰囲気を醸し出していて、少し怖気づくような感じがある。会話も小声になった。
・2階もあったが、女性限定かつレギュレーションがかなり厳しく、本当に女性のイスラーム教徒だけが礼拝をしに行くべき場所だな、と察して撤退。他宗教の信徒が観光目的で軽率に足を踏み入れていい場所は、ある程度見極めて自制していきたい。服装を整えて、礼儀や敬意が伴えば多分行ってもよさそうではある。
・隣接するトルコ文化センターへ行く。展示やショップなど色々あったが、食に貪欲なのでハラールマーケットにテンションが上がった。トルコ周辺で食される食材や調味料、日用品や雑貨に至るまで様々なものが売られている。レジ奥にカフェスペースもあり、ショップで買ったものであれば飲食も可能だ。
・カップで売られているトルコアイスとバクラヴァを買った。バクラヴァは明日の自分へのお土産にし、トルコアイスだけカフェスペースで食す。スプーンを貰おうとしたら「カップに付いてます」と言われ、「どこに……」と思いつつ蓋を開けたら入ってた。入ってたというかアイスの中に埋め込まれていた。食うために発掘を必要とするとは。
・ハーゲンダッツの如く序盤はカチカチで粘り気のねの字もなく、しばらくカップの中で弄んでいたらだいぶ粘り気が出てきた。めちゃくちゃ粘る。味は普通のバニラアイスなのがより面白い。
・本場は「サーレップ」という植物の成分によって粘るらしいが、サーレップは輸出禁止なので、どうしているんだろうと成分表示を見たら「水飴」と書いてあった。ついでに言うと岐阜県で生産されていた。
・美味しかったです。また来よう。トルコ料理を食いに。
10.15
・労働。疲労が抜けきらなくてずっとふわふわしている。
・カフェインを控えめにしているのでふわふわでもコーヒー類が飲めなくて苦痛。ドーピングがしたい。
・紀伊國屋書店とタワレコに行くため新宿駅へ。ルミネエスト脇に「好評につき期間延長!10/31まで!」と書かれたかき氷屋の看板があった。かき氷の旬の長期化を感じる。
・逆流性食道炎の症状を抑える薬が切れたので病院に行く。薬が切れてから間が空いた理由について「胃腸炎になって…」と言ったら机に突っ伏すレベルで笑われた。そんな。私だって上からも下からも排出する怪物にはなりたくなかったよ。
・昨日買ったバクラヴァを食べる。ピスタチオの香る、ちょっと甘ったるい寄りの甘さのあるパイのようなもの。偶然紅茶と合わせて食べてたのが功を奏した。めちゃくちゃ相性がいい。こってりした甘さがすっきりしたアールグレイの風味に合う。
・逆流性食道炎の症状が強まった。そういえばキャラメル系もしんどかったのを思い出した。甘いのって駄目ですか。甘党なんですけど。
・私っていつまで薬漬けなんですか?
10.16
・トルコ旅行から帰ってきた同僚がいたことを思い出した。トルコ文化センター行ったんですよ~と話しかけたらバクラヴァ食べてなかった。なんでトルコ行った奴がバクラヴァ食ってなくてトルコ行ってない奴がバクラヴァ食ってるんだ。
・オモコロチャンネル勢が表紙のananを獲得。関連ページだけざっと読んだ。
・これから手に入れる人もいるだろうからふんわりとした感想ですが、良かったねえ……
・表紙の時点で察知した方も多いと思いますが、あれはジャブ。誌面のビジュアルの良さ、本当に衝撃的。
・あとなんかみんなバカ高い服着てて面白いので買ってください。普段ユニクロとかいつも同じシャツとか着てるような人たちが10数万の服を着ていてすごい。
・ARuFaさんに対して、「いいぞ」と「もっと真面目にやってくれ(そういうのもちょっと見たいので)」という気持ちが両方ある。
・クロストークめちゃくちゃ良い。普通に読んでて笑顔になった。特に最後。
・私は家庭の教育方針の都合で誌面で言及されるようなゲーム(ゲーム機を買わなきゃプレイできない類のやつ)にほとんど触れることなく育った。代わりにインターネットを与えられていた。そのため今こんなことになってしまっている。良かったのか、この教育で。
・たまに友人宅で遊ばせてもらう任天堂製品以外は、SNSと融合したようなネットゲームをやるばかりだった。今はソシャゲ。ほとんどアイドルマスター。そのため彼らの話には共感することはできないのだが、誌面から漂うゲーム愛と、「子どもの頃から近くにあったもの」として各個人にだけある記憶は、いいなあと思った。私には得られない思い出だから羨ましい。
・右耳に突発性難聴くさい症状が出てきたので切り上げます。なんか定期的になるやつです。
・日付飛んで、以下『侍タイムスリッパ―』の感想です。ネタバレあるのでご注意ください。
・ド直球に面白かった!!!!!!
・幕末期に雷に打たれた侍が、現代の太秦映画村にタイムスリップしてくる、というところから話が始まる。
・「侍」「タイムスリップ」のお題で想定できるものが序盤で丁寧にお出しされていき、これからどうなるんだと思っていたら中盤でちょっと流れが変わってくる。ここからの勢いがよかった。
・ありスパでも原宿さんが言っていたが、ショートケーキを「普通に手に入る菓子だよ」と出され、「こんな高価そうな菓子を、みんなが普通に手に入れられるようになっているとは、良い世になったんだなあ」と泣く(意訳すぎるがもっと良い台詞)シーン、ストレートかつテンプレながら、ちょっと泣きそうになった。
・個人的には必死で元の世界に戻りたがるシーンも好き。異世界転移ものや転生ものだと元の世界に未練がないことも多々あるので、そこをちゃんと描写してくれるとちょっと嬉しい。
・気になるところ(戸籍とか)も多々あるんだけど、過不足なくタイムスリップものの序盤をやってくれた感じがある。「実は140年前からタイムスリップしてきたんだ」「ええー!?」←こういう下り、なんかやりたくなっちゃう気持ちがあるけど、やらずに進んでいったのがちょっとすごいなと思った。そういうのってわりと会って数日の人に言う重さじゃない気がするし、言ったところで、みたいなところあるし。
・本作では侍もタイムスリップも付加した要素に近く、メインテーマは明らかに「時代劇」だ。そう言うとかなり語弊がある気もするんだけど、時代劇への愛と情熱、繋げていきたいという想いを感じた。「繋げていきたい」の感情は幕末の侍のそれとリンクし、重なり合い、情熱や執念になる。熱くて素直でストレートで、真正面から心を打たれる。
・まんまと時代劇見ようかな、という気持ちになっている。八犬伝の予告2回流れたし。
・死合、よかったねえ………………息を呑んだねえ………………
・コメディとシリアスの配分も絶妙だった。シリアスの邪魔にはならず、適度にくすっと笑える笑い。過剰になりすぎず、人間の自然体から出る笑いだったりするのも良い。みんな好きかもしれないけど私は「今日はその日ではない」が好き。
・最後のオチ、良かったです。タイトル回収、嬉しい。
・見る前は2時間超え……?長いな……と思ったけどテンポは良いし密度もあるしで全くダレることなく楽しめたな。デラックス版があるんですか?行こうかな……更に長いだろうけど問題ないだろ……