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ママと子どもの持ってる力を引き出したい "超安産プロデューサー 尾崎和美さん"

自身の助産師臨床時代の経験・問題意識から、ママにも胎児にも負担が少ない「超安産メソッド」を構築。超安産プロデューサーとして活動されている尾崎さんにお話を聞いてきました。

プロフィール 
出身地:福岡県福岡市
活動地域:福岡県を中心に全国で活動
経歴:九州大学医療技術短期大学部専攻科卒業、九州産業大学大学院修了。助産師、臨床心理士、公認心理師
活動:累計1万人以上の妊婦さんや母親と関わり、ママにも胎児にも負担が少ない「超安産メソッド」を構築。超安産に多くの方を導いている。
座右の銘:見えるもの、見えぬもの全てのものに感謝!

ママと子どもの持ってる力を引き出す

Q.まず、超安産メソッドについて教えていただけますか?
尾崎和美さん(以下、尾崎) ママにも赤ちゃんにも負担が少ないお産のことを「超安産」と定義しており、ママと子どもの持っている力を引き出すことを目的にしています。
「心」と「身体」と「生活環境」を整えながら必要なお産と育児の知識を提供しています。

また、みんな赤ちゃんが欲しいと思いながらも、「じゃあ、これから何していきたいの?」と質問すると「赤ちゃんが欲しい」という夢が奥に追いやられていることが多いんです。
なので、もう一度「赤ちゃんが欲しい」という夢を明確化するお手伝いをしています。

記者 安産と聞くと一般的に「お産の際に苦しまないで産む」ということをイメージしてしまうと思いますが、それだけではないのですね。

尾崎 一般的には、妊娠中の過ごし方、入院のタイミング、お産の時のことを勉強します。でも、それだけを学んでもお産の不安がなくなる訳ではありませんし、お産がよくなるわけでもありません。そこに問題意識がありました。

お産にはその人の生き方が現れます
普段から、人に迷惑かけちゃいけないとか、我慢しなきゃいけないと思っている人は、辛いのに我慢して、ナースコールを押さなかったりします。
そういう人は一人でいろんなことを背負っているので、不安も緊張も強いのでお産がスムーズに進みにくく、難産になりがちになります。さらに、そのままの思考で育児をしていくので、やはり育児も楽しめなかったりします。

ですので、「自分のお産だよ」「あなたと赤ちゃんのお産なんだよ」ということに気づいてもらうにはどうすれば良いのかを追求してきました。

「お産に満足感を得て欲しい」

Q.現在、どのような夢やビジョンをお持ちですか?
尾崎 
このコンテンツが日本の産婦人科で当たり前のようになることが理想です。
お産に関する知識だけがあっても、お産は変わりませんし、不安の中でお産をすることになります。心と体と人間関係についても扱わないと、お産は良くならないと思っています。

純粋にお産がよくなったらいいなと思っています。

記者 お産がよくなるというのは、どんなイメージでしょうか?

尾崎 自分の持ってる力、赤ちゃんの持ってる力を最大限に発揮できたという満足感を得て欲しいと思っています。
「私できた!やれた!やりきった!」ということがあったら、結果は重要ではありません。難産でも、帝王切開でも、無痛分娩でも何でもいいんです。

心の中でくすぶってしまうのは、妊活でもお産でも、やれるだけの準備をきちんとできておらずに、自分自身の力を発揮できていないからなんですね。

先日生まれた双子のクライアントさんも、やれるだけのことをできて、帝王切開に切り替えになってお産されているのですが、そこに至るまでにたくさんの努力を積み重ね、やれるだけのことをやったので、満足されています。

「お産」とは、そういうことなのかなと思いますし、お産に対してしっかりと準備をしてお産をしたことが、その後のお母さんの育児への自信にもなります。

「超安産の一般化をしていきたい」

Q.それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?
尾崎 もっと一般化できるようにしていけたらと考えています。
コンテンツの動画提供だったり、もっと助産師に知ってもらって助産師のカウンセリング力、ファシリテーター力をあげれたらなと思ってます。
そのためには、医療者が好む出版社やセミナーに食い込んでいけたらいいなと思っています。

妊活中の方、妊婦さん、育児中のママ達に周知して頂けるようにブログの発信、電子書籍、ポッドキャスト、youtube、スクール、個別カウンセリングなど活動・発信もしています。

「エネルギーが蘇る瞬間がたまらなく好き」

Q.その目標や計画に対して、どのような活動指針を持っていますか?
尾崎 私はシンプルに言うと、エンパワーメントしたいだけなんです。
持ってる力を引き出してあげたいと思っています。その人のエネルギーが蘇る瞬間がたまらなく好きなんです。

その人のやる気を引き出さないとお産って変わらないと思っています。

一般的な母親学級とかマタニティクラスって、みんな受け身だからエネルギーが死んでることが多いんです。
「グループ・アプローチ」という手法があって、例えばゲームをしたり、隣の人とお産への気持ちを語らってみようとか、少しキッカケを提供するだけで、水を得た魚のようにイキイキと喋り出します。
そう言う時が、人の力を引き出すってこういうことなんだなと実感する瞬間です。

より良くしていこうという力を人は元々持っている

Q.夢やビジョンをもつようになったきっかけや発見は何ですか?
尾崎 人の力を引き出すってどういうことなのかを模索している時に出会ったのが、カウンセリングでした。カウンセリングの中で、自己実現傾向という概念があります。
「より良くしていこうという力を人は元々持っているんだ」
この言葉を聞いた時に、その通りだと思いました。

このことは医療の中でも言われることですが、実際に医療の現場でそれが成されているかというと、実感することはできませんでした。
だからママ達も流されてしまい、されるがままになってしまいます。
その現状をどうしたらいいかと考えたときに、「私が教えるのではなくて、この人が気づくためには引き出してあげることだ」と、質問の仕方を変えました。
自分で考えた答えを出すことができるので、結局、本人が行動しやすくなっていきました。

お産はゴールではなく通過点

Q.そのきっかけや発見には、どんな背景がありましたか?
尾崎 助産師時代、お産が年々悪くなり、難産が増えた時期がありました。

難産が増えると産む方も大変ですし、サポートする側である医療者側も大変になってしまいます。
さらに、産んだ後の状態も悪くなって、全部の流れが悪くなるんです。
たくさん出血したり、呼吸状態が悪くて赤ちゃんが病院に搬送されたり、ママ達も泣いているということになってしまいました。

その経験があったので、「お産は自分のものだよ。あなたが頑張らないといけないんだよ。あなたのものなんだよ。」と気付いてもらうためにはどうしたらいいんだろうと探し続けました。

そんな時に出会ったのが、カウンセリングや構成的エンカウンターグループといわれるグループ・アプローチでした。
「人ってほんの些細なキッカケでこんなに変わるんだ、こんなに輝くんだ」ということに初めて出会った時は、興奮して眠れなかったです 笑
輝き出す瞬間が私にとってはエンパワーメントなんですよね。

お産を通じて可能性に気づいて欲しいですし、お産はゴールではなく通過点だと思っています。
最終的にママと子ども、家族が幸せだったらいいなと思い活動しています。

記者 尾崎さんの活動によってお産が単なるお産でなく、可能性を引き出すものになっていけば社会もよくなっていくと感じました。貴重なお話をありがとうございました!

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尾崎さんの活動については、こちらから↓↓
●尾崎さんのブログ↓

●尾崎さんのご著書「妊活超入門 赤ちゃんができる7つの習慣」

●「安産祈願」妊活・安産・育児サイト


【編集後記】
お話を伺って、自分の為ではなく、相手の可能性・人生を一番に考えている方だと感じましたし、その姿勢に感動しました。本来持っている力を引き出した人が溢れる社会が実現できるよう尾崎さんの益々のご活躍を応援しています!

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この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。


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