問いのデザイン 創造的対話のファシリテーションを読み終えた
問いとはなにか?ということで、安斎勇樹さんの「問いのデザイン」を読み終えた。
名前(勇樹)同い年ということで親近感湧きました。
同い年で、このような本書いてるのが凄いなと単純に思いました。
自分もこのような本を執筆できるように、もっと勉強しないとなと思いました。
この本は、4部構成になっています。
問いのデザインの全体像
課題のデザイン
プロセスのデザイン
問いのデザインの事例
まずは問いとはなにか全体像を学びつつ、課題で問題の捉え方について学んでいきます。
プロセスのデザインでは、ワークショップデザイン・ファシリテーションの技法などが書かれている。
最後の章では、問いのデザインの事例について書かれています。
個人的にファリシテーションの技法は学ぶべきスキルだと感じました。
問いとは?
この本の主題となる「問い」とは何かから始まる。
英訳では 「quesion」や「problem」といった表現で使われるようです。
1対1で行う問いやテスト等の問題や不特定多数に向けた問いなど、広く使われている言葉です。
また、辞書では「答える」という意味も含まれているようです。
「問いに答える」「問題に答える」などが挙げられます。
ゴールまでセットということを理解しました。
ぞうの鼻くそはどこに溜まる?
この問いが面白かった。
とくにこのような問いを考えたことなかった。
なにげないところから問いを作れるのは、普段から物や事柄を俯瞰してないといけない。
なぜ?を常にだしていく。これが大切だなとおもった。
この始まりは筆者が動物園で子供向けのワークショップで出た問いらしい。
動物を観察して子供たちが話しあってた。
いろいろな問いや対話のなかで、この問いが出てきたなかで、その瞬間対話が変わったらしい。
複数人で対話してるなかで、一瞬で空気が変わるときがある。
それは、普段みんなが気にしてないことをぽろっといった瞬間に対話の矛先が変わる感じ。体験はしたことがあるけども、なかなか意見や問いなどをその場の空気でいえるのは勇気がいる。
ミーティングで問いや質問をするのを自分から話すのは重要になる。
問いで誘って、巻き込むように日々俯瞰することを意識していきたいですね。
問題を捉える思考法
素朴思考
天邪鬼思考
道具思考
構造化思考
哲学的思考
問題を捉える思考法には5つの思考法がある。
状況に応じて使い分けることを意識する。
とくに天邪鬼思考や構造化思考は自分は好きな思考だった。
素朴思考
素朴思考とは、問題状況に応じて素朴に向き合い問題を掘り下げる考え方のことです。
わからないことをわからないままにしないで率直に「わからないことを」ベースに考えていきます。
何気ない素朴な疑問が、相手も気づきが得られる効果があります。
プロダクト開発やチーム開発では、この素朴な疑問が飛び交う。
これなんだろう?を何度も聞くことになるけども、それが自分にとっても相手にとっても脳への定着がつくのではないだろうか。
とにかく好奇心が重要になっていく。
これをやるのはなぜ?とかそういう難しいレベルの話しではなくても、質問していくのが思考を高めていくと感じた。
素朴な疑問が浮かばない場合
一般的に素朴な疑問が浮かばない場合は、5W2H(Why、Who、When、Where、What、How、How much)を使うことが多いようだ。
しかし、無理に広げようするよりも、気になったことを好奇心ベースで聞いていくスタイルを意識する必要がある。
好奇心を中心におくことで素朴な問題への理解が「自分ごと」になりやすい。
人からの質問のケースもあるだろう。そのときに自分ごとのように考えることは大切だ。
だから、言われた質問や問いについての素朴な疑問からも言われたことが自分ごとになっていくような気がしている。
目や耳など五感をつかって観察しながら素朴に聞いていくことを意識していきたい。
天邪鬼思考
天邪鬼思考は、素朴思考とは異なり事象を批判的に疑う ひねくれた視点 を捉える思考法のようです。
天邪鬼は、民話の妖怪で神や人間に対して反抗精神をもっていて意地悪く人の心中を下がるのがうまかったようです。
自分は桃鉄を子供の頃にやってたので、天邪鬼がすごろくを意地悪して1とか2しか出てこないやつという思い出を持っている。(非常に懐かしい)
この思考法は、主に課題の定義において盲点をついたりすることが主な思考です。
問いを考えた人は、好奇心が先行しているがなかなかデメリットが抜けてるケースがある。
多角的な視点が必要なときに、この天邪鬼思考を使うことは有効だと思う。
とくに前例がないプロジェクトや現状のプロジェクトでも有効な思考法である。
受託をやっていくとビジョンやどうゆう世界を夢見ているのかなどが見えづらい時がある。
そのときの議論では天邪鬼思考は有効ではないだろうか。一種の批判になることから状況に応じて使うことは前提になる。
道具思考
ときには「道具」に頼るときが必要な場合もある。
道具思考とは、物理的なものではなく知識・記号・ルールなどを指します。
概念
フレームワーク
記号
ルール
会社にはドキュメントやドメイン領域の会社ならではのドキュメントがある。
ほかにも世の中には様々なフレームワークと呼ばれるやり方などが存在する。
相手がその知識を持っていることで共通認識で物事を考えていくことができる。
道具について深堀りすると、「ドーナツを穴だけ残して食べる方法:越境する学問」という本があるようです。
この本から学べることは、同じ問題であっても専門性で考えるか問題の解釈の仕方を変えるという形で物事を思考するようです。
心理学的な部分になるけども、人間の行動プロセスを捉える時に有効なので、大学講義の本も読んでおきたいと思った。
構造化思考
構造化思考とは、問題状況を構成する要素を俯瞰して、構成要素同士の関係性について分析・整理し、問題を構造的に捉える思考のようです。
複雑な問題になればなるほど、要素が絡み合っていきます。
物事を決めること・法的なルールなど問題が複雑であればあるほど、必要される情報要素が絡み合っています。
企業の場合、関係者が多い場合がある問題に対して許可とったり報告が必要もの問題状況を把握させるためにはどのようにすればよいか。
エンドユーザ向けでも同様に「なぜ。消費者はこのような行動をするのか」など構造化するために行動分析をしつつ思考していく。
分析やデータはあくまでもデータの指標であって、リアルな声という部分では直接聞くことも必要ではないかと自分は思っている。
実際にインタビューしたら、数字的な部分では見えない部分もあります。
その情報を組み合わせて整理していくことが必要ではないだろうかと思う。
本書では、勉強するためにどうすればよいかについての手順などが書かれていた。
哲学的思考
最後に哲学的思考です。
問題解決の場面では視野狭窄(しやきょうさく)になったり中期的な視点での考える思考が失ってしまうという点があります。
そのために視野を広げて、深め、問題の本質に迫るために哲学的思考が必要になります。
身の回りの問いや同じ問いなど、対話しながら自分たちの経験を用いて本質を見極めていくことが重要になります。
お互いが納得できる共通理解に到達することが、本質を捉えるということのようです。
いままでの思考をしつつ、チームとの対話をしながら本質を見抜いていくことが大切だと感じました。
まとめ
この本で自分が一番重要なところは、自分ごととして考えることを意識して行動していきたいと思った。
ファシリテーターのやり方・手段・思考についてなどが書かれている本でした。
デザインという意味でいえば、問いのデザインといい目に見えないデザインについて学べた良書でした。
とくに思考法については、業務や普段の生活から使えるところなので意識して得意な思考・苦手な思考を見極めながら状況に応じて使っていきたいと思いました。
また手法について、ファシリテーションの技法はスキルとして身に付けなければならないと感じているので、都度読みつつ定着していき業務に活かしていければと思っています。