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あるフィギュアスケートライトファンの立場からーーーロシアショック後の世界で

※フィギュアスケートに詳しくはありません。のんびりTV観戦or動画チェック派です
※ロシアスケーターを好意的に見てました
※スタンスとして反戦です

https://mobile.twitter.com/rockerskating/status/1507665335096336390
(↑ヘッダー写真はここから)


まず、私はフィギュアスケートがライトに好きです。
試合やアイスショーを、かいつまんで、日本選手や興味のあるところだけ見るタイプ。

そこでのロシアスケーターの持ち味が、雰囲気のある人が多く、衣装も独特だったりして、音楽も含め、"全体的になんか好き"と、好意的に思ってました。
・・・「こういう、他にない芸術性って、もっともっと世界に広く売れるんじゃない?」と、軍事より芸術を、音楽や映画やファッションなどをーーーもっともっと打ち出していけるポテンシャルは、相当じゃんーーーと思っていたんです。
フィギュアスケートだけでも、技術もスター性もすごいし。他ジャンルだってもっともっとーーー・・・

例えば、アニメ『ユーリ・オン・アイス』がウケたみたいに。
ロシアが、"なんか怖げな国"から、"すごいスター性のある国!!"の方へ、さらに、なってってくれないかな〜〜って。なってったら楽しいのにな〜〜って。
そう思うようなものを、"魅力"の意味では充分に、フィギュアスケートを通して見せてもらってたと・・・思うんですよね。

まあ、夢と消えてしまったのですが。とある大統領のおかげで。
詳しく見ていたわけではないですが、"反同性愛法"がある、という点だけでも、「カルチャーはすごいと思う/政治的にはかなり嫌い」でした。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』がカット版だった国でもありましたね。
(私は、日本へも、「さっさと同性婚通せや」という意見です)


・・・あの国のトップ指導者がそのような人だということを、関心はあっただけに、全く知らなかったわけではないです。が。
変わるんじゃないかって。

ロシアの、実力も魅力もあるスケーターが、日本のアニメが好きで、試合やショーで来日しては、アニメグッズをプレゼントされ喜んでいたりする。
そんなことがあり得る時代なら。"古き恐ろしき強国"みたいな印象の強いロシアだってーーー

そして、その"好きな部分"だけを見て、"イヤな部分"は、「いずれ変わってってくれないだろうか?」と、漠然と期待していたのです。


このような私の立場からの、2022年2月24日は、そういう、私の、一方的な、"願望が打ち砕かれた日"でした。

最も思い馳せられるべきは、現在ウクライナに住む人々と、ウクライナ出身の人々でしょう。
それから、様々な形で、ウクライナと関わりや縁のある人たち。
(日本人にもそういう人たちがいるおかげで、様々な立場からの、日本語でのレポートを読むこともできました)

それから、ロシア在住の、この戦争に反対な人々、ウクライナとの間で板挟みになってしまう人々、国際的に活動している人やしていきたかった人。
ロシア国外でこの吹き荒れる反ロシアの中にいる人・・・

・・・思い馳せることはできます。が、私自身がこの戦争で"失った"ものは、実際のところ、あの国に抱いていた"期待"でした。
これが、私にとっては、最もショックだったことです。

個人的なことです。戦時下の苦難とは比べようもないです。それらとは次元が違うことは言うまでもない。
しかし、これが、あの国に少しでも愛着を抱いていた、一人のフィギュアスケートライトファンである私の受けた、痛みです。
私の現実です。

私は私の現実しか語れません。
それらの国に直接的に関わりのある人たちの訴えを読むことはできてもーーー思いは馳せてもーーー
やはり私自身の痛みは、別次元でそこにあるのです。


戦争を止める力は私にはない。
「反対だ!!」と言うことはできますが。
ウクライナの人たちの苦難、あの大統領がもたらした惨事に、目を向けることさえできない。
(二次被災を避けねばならないので、映像は可能な限り避けます。
直接的戦場情報でないテキストは読みます。)

・・・このような状況下の世界選手権で、滑ってくれたウクライナ選手たちの演技を、見ることはできた。
3月25日。この戦争ニュースがあってから、初めて、このニュースのための涙を流すことはできた。
スケートなら受け取ることができた・・・


そのようなことが、この2〜3月に、私個人の身の上にありました。
ある大国のトップの決定で、世界はひっくり返り、私のもとにまで余波は届いたわけですね。

書ききれない思いがあります。
私自身ではない、身近にいた人のことも思い出します。

とにかく、私は、私の心を失いたくない。
このニュースの嵐の中に奪われっぱなしでいるわけにはいかない。
唯一、それだけは私のものだから。
どんなにちっぽけでも。


戦争を止める力は私にはない。
人の苦難に目を向ける力もない。
ただ、自身の心までも壊されないように、守ろうとすることだけは。
私のできることです。

していきたいことです。


ウクライナの人たちのためになることではなく、人からは別に、"何"とも見えない、ゼロ同然のことかもしれませんが。
私にとっては重いことなので。

記録として印しておきたく思います。

そして。言えるうちに言っておきたい。

理屈はすべて後。
命も誇りも土地も文化も奪おうとする、巨大な破壊行為である戦争に、私は、反対です。



◆フィギュアスケート世界選手権2022(フランス・モンペリエ)に出場した、ウクライナのスケーターたち◆

アレクサンドラ・ナザロワ&マキシム・ニキーチン(アイスダンス)

画像1

https://mobile.twitter.com/ISU_Figure/status/1507354047883456522


ソフィア・ホリチェンコ&アルチョム・ダレンスキー(ペア)

画像2

https://mobile.twitter.com/ISU_Figure/status/1506717583378112515


イワン・シュムラトコ(男子シングル)

画像3

https://www.ouest-france.fr/sport/patinage-artistique/mondial-de-patinage-le-programme-libre-de-l-ukrainien-ivan-shmuratko-un-moment-d-eternite-2786889a-acf3-11ec-8ff3-0c0c6f085b89


私が泣いたのは、ナザロワ&ニキーチンのこの演技でした↓
https://www.youtube.com/watch?v=bAMWTZsRfcg

日本人記者によるナザロワ&ニキーチンへのインタビュー(英語記事)↓
https://mobile.twitter.com/patinaggio/status/1509998353702084611
のちに日本語記事として雑誌に載るそうなので、そちらも待ちたいです。 

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