読書で開く人生の実績欄

高校の頃、一番好きな科目は倫理だった。
なぜ？と問われると分からない。
なんとなく、色んな人が色んなことを考えていて面白いなあ、くらいに思っていた。

その科目の登場人物の一人が、ニーチェだった。
ニーチェというと、「神は死んだ」という言葉はご存知の方も多いかも。
一番有名な著作が「ツァラトゥストラはかく語りき」だ。

高校の頃の自分はこう思った。
「タイトルかっこよくね？読みたい」
しかし、本屋でパラパラめくると、難しそうな文章が並んでいたため諦めた。

社会人になった今も、引き続き思想系の本は好きだ。
そんな折、他書籍で「ツァラトゥストラ」が紹介されているのを見て、読みたい欲が再燃した。
一度「読みたい」と思った本は、人生の実績一覧に未達成として登録されてしまうのだ。達成しないとむずむずする。
ということで上下巻、計700ページ弱の旅に出ることとした。

基本は寝る前に、1日20〜50ページほどを読み進めていた。
頭にスルスル入ってくるタイプの本ではもちろんなく、しっかり集中して噛むことで味わいがわかる本だった。スルメみたいな。
もちろん難しいので、全然味が分からない箇所もあった。ワインみたいな。

12月頭くらいから読み始めて、ようやく昨日読み終えた。これで実績達成である。
分からない部分もかなりあった。読み終えはしたので、いったん実績達成とさせてください。
ニーチェは力強く、人間の底力を信じ、ウィットに富んだ人、そんな印象を受けた。
本当に、読みながら胸に響くフレーズがいくつもあったので、折に触れて読み返したい。

この実績達成とあわせて、「よく分からなくても読み進める」スキルが身についた。多分。
今までこれがなくて挫折していたんだな。
このスキルを使って、今まで未達成となっている本たちを開きにいきたいと、考えているところでした。