小川雄太郎「つくりながら学ぶ! Pythonによる因果分析 因果推論・因果探索の実践入門」
🌿どんな本
データサイエンスの分野で重要な役割を果たす因果推論と因果探索について、Pythonプログラミング言語を用いて実践的に学ぶための本。
理論的な背景から具体的なコードの書き方まで、段階的に学べる構成となっており、データからより深い洞察を得るための手法を提供しています。
相関と因果の違いの説明から始まり、回帰分析や機械学習(ランダムフォレスト)による因果推論の方法が紹介されています。
また、因果探索ではベイジアンネットワークやディープラーニングを用いた方法も取り上げられています。
🌿因果推論とは?
たとえば50人から痩せ薬を飲まないAグループと飲んでもらうBグループに分けて、一ヶ月後の体重を比較するとします。
仮説検定という統計学の検証手法を使い、AとBの体重の差が「偶然か?否か?」を計算します。
そして「偶然とは言えない!」となったら痩せ薬は「効果あります!」と主張できるのですが、実は落とし穴があります。
Bグループの体重が減ったことは痩せ薬の効果ではなく、「モニターに選ばれたから間食とか控えたんじゃない?」という視点も必要になります。
この第三の可能性を考えることが因果推論の始まりです。
この後、ランダム化比較試験(RCT)、差分の差分法(DID)、回帰不連続デザイン(RDD)など、さまざまな研究デザインや統計手法を用いて、交絡因子や選択バイアスをコントロールし、より正確な因果関係を推定します。
🌿本書から得られるもの
今後、社会やビジネスでは統計的仮説検証では不十分とされ、因果推論の需要が高まると思われます。
因果推論の基本的な理解と、データから因果関係を読み解くためのアプローチについて本書では学ぶことができます。
🌿リカレント教育と生涯学習にどう活かせるか
データ駆動型の意思決定が求められる現代において、因果関係を理解し、データに基づいた正しい判断を下す能力は、あらゆる職業でのキャリアアップやスキルに役立つと思われます。