6 他者紹介 7 深呼吸をする 8 背中センサー

◆ 6 他者紹介
研修のスタートにあたり、参加メンバーが互いに面識などがない場合に、普通ならば自己紹介から始めるのですが、あえて、他者を紹介するというアプローチから入ります。
1.研修のスタートにあたり、互いに相手を知ることを伝えます。任意にペアを組んでもらいます。そして、ペアを組んだ相手を、他のメンバーに紹介するように指示をします。
2.準備時間は、トータルで10~15分。時間配分も2人に任せます。
3.名前、出身、趣味などありふれた情報を使って紹介しても、記憶に残りません。それぞれに工夫するようにアドバイスをします。
4.全員の他者紹介が終わったら、誰のものが一番記憶にのこったかを投票で決めます。
5.振返りをします。どのような組み立てが記憶に残るのか?話題は、どのように展開すれば効果的なのか?・・・など自由に意見交換します。
自己紹介は、それほどの緊張もなく、当たり障りのないことを言って、さらっと終わるケースがほとんどです。あまり意味がありません。
研修のスタート段階で、他者(他メンバー)の「良いところ」に目を向けることで、ポジティブな空気がうまれます。気持ちを、「今」に集中させます。これもこのワークの狙いのひとつです。

◆ 7 深呼吸をする
体験することで、何かを感じ取り、それをひとつの気付き、知識にしていく方法です。
1.メンバーに、「普段、一分間に何回の呼吸をしていますか?」と問いかけます。呼吸の回数を意識している人はいませんから、「えっ?!?」という反応になります。
2.「では、少し意識してみましょう」と投げかけ、「深呼吸をしてもらいます。私が、ハイと言ったら、そこで止めてください」と伝えます。深呼吸を数回繰り返して、本番にはいります。
3.適度なところで、「はい、結構です」と伝えます。止めていいと言う指示を聞いたとたんに、「ハーッ!」と息を吐き出すはずです。
4.思いきり、「吸う」ことで、「吐き出す」という行為につながります。つまり、人は、「負荷」をかけて吸収することを強いれば、「吐き出す=働きかける」行為が生まれることを体験します。作為的に、「フロー状態」をつくりだすトレーニングになります。
5.思いきり「吐き出す」ことが「吸う」力を増大させます。そのために「意識的に」吐き出す体験を提供します。それが、普段の関わりの中で、「話を聞く・意見を聞く」というマネジメントになります。「吐く」ことから始める「吸う」動きは、30%増しの強さがあります。
なかなか成果があがらないチームは、「深呼吸」ではない、自分で意識することもない、楽な呼吸をしながら、「成果がでない」と嘆いているようなものです。
「時間も、気持ちも、能力も、全部注ぎこまなければ、人は育ちません!」・・・シンクロナイズドスイミングの井村コーチの言葉です。

◆ 8 背中センサー
相手に対して、「気」を意識するというトレーニングです。とくにこのごろは、スマホやパソコンなど、ツール相手に自分の世界に熱中する傾向が強く、他者へのセンサーが鈍っています。人本来の感性に気付いてもらう目的をもっています。
1.背中あわせに手をつないだ状態でまるく輪になってもらいます。
*グループは、6人から8人程度
2.鬼を選びます。鬼だけは、輪の内側を向きます。そして、だれかを選び、その相手の背中に向かって、呼びかけます。「ありがとうございます」「こんにちは」など売場で頻繁に使うものがよいでしょう。
3.鬼に声をかけられたと感じたメンバーが 手を挙げます。当たっていたら、その人が次に鬼になります。当たらなかったら、もう一度、チャレンジです。
鬼になった人が、選んだ人に対して気持ちを向けることがポイントです。同時に、メンバーは、神経をとがらせて、鬼の声を聞きます。
センサーが効き始めると、面白いように当たるようになります。
慣れてきたら、5メートルくらい離れたところに、鬼に背中を向けて一列に並んでもらい、同じように鬼が声をかける方法にチャレンジしましょう。

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