25 メラビアンの法則 26 ピークエンドの法則 27 ハインリッヒの法則

◆ 25 メラビアンの法則
人は他者とコミュニケーションをとる際に、言葉、声の表情、動作(仕草)などの能力をつかっています。
日常生活などにおいて、他者とは「情報」の共有がベースに置かれることもあり、言葉によるコミュニケーションが大きなウェイトを占めていると考えられがちです。
実際には、能力を100としたときの役割は?
 言葉 7%
 声の表情 38%
 動作(仕草) 55%
言葉以外のコミュニケーション、いわゆるノンバーバルという手段で、実に93%ものやりとりをしているのです。
研修に参加される方も、ほとんどの方が、言葉の役割が重要と思い込んでいます。「情報化時代」といわれることからもわかるように「情報」が氾濫している環境にも原因があります。また、男性にとってコミュニケーションが、まさに「情報交換」を意味すると位置づけられているのも原因です。
コミュニケーションには、「情報」の共有だけでなく、「向かい合っている互いの気持ち、感情」をキャッチボールするという、もう一つの大切な側面があります。この部分を考えると、声の表情、動作(仕草)が重要であることは納得が行くはずです。
普段の生活でも、相手から受ける印象でなんとなく評価をしてしまっていることがあります。ゼロ印象、出会った瞬間の印象が、相手に対する評価を決めている。しばしば体験します。
「話せば、わかる」・・・いえ、話すほどに食い違いが深くなることもあります!


◆ 26 ピークエンドの法則
ノーベル経済学賞(2002年)の受賞者である、ダニエル・カーネマン教授が唱えた説。
人間は、ほとんどの過去の経験を、「ピーク(最高、または最悪)」と、「エンド(どの様な終わり方をしたか?)」の関係で判断しているというもの。
たとえば、彼(彼女)とのデート。一緒にいる時間の長さではなくて、一番の盛り上がりがどのように記憶に残るかが、とても大切ということです。つまり、きちんとピークをつくる。映画でも、監督は、かならず見せ場のシーンを入れこみます。このシーンを撮りたかったがために映画をつくったのではと思うことがあるくらいです。
そして、終わり方で念を押します。記憶に残る終わり方ができれば、デートは大成功です。映画のラストシーン=エンディングが重要なことをみてもわかります。
最高の瞬間と、心地よい(感動的な)終わりかたで、いい思い出になります。
お客様の買物を心地よい記憶にするのがスタッフの役割です。店頭のシーンから始まり、どの瞬間に「ピーク」の演出をして、どのようにお見送りをするか?
お迎え、セールストーク、レジ会計、お見送りと、それぞれのシーンで、ピークエンドの法則を活用できたら楽しいですね。
とくにお見送り!「売上ができた」ことに喜んで、お客様への感謝がいい加減になってはいませんか?
終わり良ければすべてよし・・・も、間違いではありません。


◆ 27 ハインリッヒの法則
ひとつの重大事故の背景には、29件の軽度な事故があり、さらに300件の異常があるという法則。
これは接客という仕事でも、役に立つ経験則です。とくに、クレームという問題などにあてはめれば、1件の大きなクレームの背景に29件の軽度なクレームがあり、さらに300件、お客様が不快に思っていることが起きていることになります。
実際に、買物の最中に、お客様が不快に思ったことが300件はある。そして、これはクレームとして届くことはない。つまり、声なきクレームです。
起きてしまったクレームにどう対応するかも大切ですが、声なきクレームの300件をゼロにすることにこそ、注力すべきです。
おそらく、スタッフが無意識にやっていることがお客様の気分を損ねてしまう!そんなつもりではなかった・・・という言い訳が聞こえてきます。でも、お客様の目線、気持ちになってみれば、不快に感じて当然のことばかり。
お客様は十人十色。しかも、すべてのお客様が、上機嫌とは限りません。なかには、朝からイライラすることが重なっている方もいるでしょう。ちょっとしたことで、「怒り」が破裂します。
スタッフも悪気があるわけではありません。気付かないから、放置しています。
それでは、声なきクレームはなくなりません。
今は、ネットの時代です。一件のクレームが情報として広がるスピードも、範囲も、想像を超えるものです!300件どころではなく、10倍、100倍のスピードで拡散しています。
本気で、声なきクレームをゼロにする!

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