37 初頭効果とシンクロニー効果、同調効果 38 初頭効果と親近効果 39 好きの反対は?

◆ 37 初頭効果とシンクロニー効果、同調効果
初頭効果=人は、最初に与えられた情報を信じやすい。初めての体験で感じたこと、得た印象などが影響するのも同様の効果と言える。
シンクロニー効果=たとえば、憧れている人の所作、ファッションなどを無意識に真似てみるような効果のことをいいます。美しい映画を観たあと、なんとなく女優を想い浮かべて、普段より上品に歩いているなどというのもその一例です。
同調効果=自分が属する集団の中で、周りの人と同じ格好をしたり、同じ行動をとろうとする傾向のこと。自分だけが目立ってしまうことで仲間から外れることを警戒するためと考えられます。
一方で、人は、「他者とは違う」という自意識があり、「認めてもらう」ことを望んでいます。「認めてもらう」は、言葉を変えれば、「受入れてもらう」。
やっかいなことに、人は、自分のことですらあまり「理解」できていません。まして、他人のことになれば、理解できない部分が多いのが当たり前です。
その瞬間、瞬間、目の前にいる相手を認める、受入れるという姿勢を持てば十分です。相手の行動に歩み寄る際に、前述の「効果」を活用できます。

◆ 38 初頭効果と親近効果
初頭効果とは、物事の最初の印象が強く残りやすいということです。第一印象の大切さを説いています。さらに、この最初の印象は、覆すのが難しいとされます。出会った瞬間に相手に対する態度をほぼ決めてしまっている訳です。このときの「判断」材料は、過去の経験に裏付けされます。「こういう顔つきの人は、こんな人が多かった」という具合です。相手に関心がない場合には、「興味」を示さないという「初頭効果」を選択します。
反対に、親近効果とは、物事の最後に起こったことが記憶に残りやすいということです。終末効果といういい方もあります。仮に、最初の印象が悪くても、最後の別れ際の印象を良いものにできれば、結果的に良い関係が生まれる可能性があるということです。
こちらに対して関心の薄い、低い相手との関係をつくるときは、初頭効果を重要視します。ぐいっと、最初に関係をつくる強気の働きかけが有効です。
すでにある程度の関係性がある場合には、親近効果を活かして、関係性をさらに親密なものに掘り下げていきます。
どちらも「記憶に残す(残る)」という点がポイントになります。そして、この二つの心理的特徴から見えてくることは、「人は話の途中はさして記憶に残らない」ということです。
たくさんの情報を提供しても、最初と最後の情報だけを覚えている!接客でも、しゃべりすぎは、「おしゃべしりな押しつけがましいスタッフ」と思われ、敬遠されます!

◆ 39 好きの反対は?
「好き」の反対の言葉は、何ですか?
この質問には接客に欠かせないヒントが隠れています。それを説明します。
言葉としては、「嫌い」が浮かぶはずです。間違いではありません。
「好き」という「感情」に対立する状態を考えるので、「嫌い」という言葉が浮かびます。両方とも、感情という鏡に映しているので、反射した言葉が、「嫌い」になります。
すこし見方をかえてみます。
感情のエネルギーという部分で比べてみると、両方とも、あるエネルギーが働いている状態にあることがわかります。つまり、プラスかマイナスかという方向の違いはあっても、エネルギーが存在しているという点では、「同じ」なのです。
では、エネルギーという状態で考えた場合の反対の意味は何になるでしょうか?
エネルギーを発していない状態。そう、「無関心」です。
「好き」の反対は、「無関心」という受けいれ方を身に着けておくと、ストレスから解放されるます。接客にも自信がもてるようになります。
研修などでも、実は、「無関心」な態度のスタッフに一番気遣いします。反抗心を見せている場合は、それほど心配ありません。関心がない様子が気になります。
日常でも、そうでしょう。関わらなくてはならない相手だと思うと、苦手意識をもってしまったりします。すでに、「関心」を持っている証拠です。この場合の「苦手」意識というのは、案外、自分のなかにある潜在意識であったり、過去のなにかが引き金になって、目の前の相手に投影して、思い込んだりしているケースがほとんどです。一人相撲をとっているわけです。
「無関心」・・・それが大敵!

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