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蝉と夏風邪

 誕生日を迎えることに張り切りすぎてか、数日前から発熱を起こした。生活習慣が悪いのか、実家にいる時は全く起こさなかった風邪が頻発している。おかげで誰かに連絡することもなく1人で勝手に寝込むこともできる。
 熱はすぐに下がってが、喉の痛みと鼻と頭痛が長引き半ば強引に外を歩いても時々フラついてしまう。

 誕生日を迎え、年を取ったはずなのに自分の行動は少年の時のようだなと思うことがあった。LINEをもらったらそりゃ嬉しいし、中学の友人は少し前の公演で関わった人、家族から連絡が来てベッドに寝転びながら喜んだ。
 テレビもなく、高校からはすっかりインドア人間になったせいで昨日外へ出るまで猛暑に全く気づかなかった。朝5時くらいになると蝉が鳴き出すのだが、それでもまだ夏は始まったばかりのような気がしていた。手元携帯で気温は36度、ちょうど僕の体温と同じくらい。そりゃこれよりも熱い温度が体内で起こってたらぶっ倒れるなと思った。
 頭痛が寝過ぎか、夏バテか、脳みそが溶けていくように視界がグラつく。鼻の奥で鼻水が止まりプールで溺れた日を思い出す。足がどっかに引っかかったかのように脳みそにばっかり血が上る痛さと鼻の奥を突かれるような痛み。夢の中かのように意識が落ち着かない。昨日の出来事なのか夢の出来事なのか上手く思い出せない。沢山のお祝いメッセージをもらっても上手く言葉が出てこなくて返信できない。

 一応日付が変わるタイミングでジャンプはしてみたのだけどあまり変わったような気はしない。しばらく考えていた悩み事はそのままだし、体調も良くならないし忘れたいことに限って、そればっかり夢に出てくるし、また朝の4時に目が覚めるし。
2024年7月24日、6時24分、鼻炎の薬も飲んだハタチ、多分30分後くらいには眠っている。カーテンの隙間から太陽と蝉の声が漏れてる。薄いアパートの壁から隣人の動く音と年中鳴ってる風鈴の音。体温を測って電気を消して次こそは良い夢と頭痛のしないお昼を迎えられるように眠る。体温は37.2。こんな感じのハタチ最初の1日。おやすみなさい。

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