目の皿割って

　数日前にコンタクトが目の中で割れてしまいそれから裸眼生活。買いに行けばいいだけのことなのに優先順位に負けて後回しでメガネ生活。劇団員の中で数名体調不良者がいるらしいのマスクをしてと、髪のセットが面倒臭いのでニット帽を被ってと、もちろん物が見えないのでメガネをしてと、ヘッドフォンでにしなを聞いてと。鏡を見ると指名手配犯か、芸能人しかしないような格好を凡人大学生がやってる。比率で言えば不審者に間違われそうなのでメガネを外す。
　五感は元々完璧に機能している訳じゃないけど昨日まであった感覚がなくなると一気に足が地面から離れる。最近ハマってるのに全然耳に音が入ってこない、かと行って後方から来る車の音にも気付けない、危ない危ない。マスクを外して息苦しさを取っ払う。青春期は毎日マスクを付けてたのに今となってはマスクはものすごく邪魔物、オシャレなマスクを探した思春期もあったのに数年経ったらこの有り様。結局コロナ禍に高校生だった時、良いことの方が多かったのか、悪いことの方が多かったのか。夢のような高校生活なんてどこにもないって分かった今だとそんなことを思うようになった。
　2歩、3歩前よりかは多少息ができるようになった、相変わらずやることやっても課題は増えるばかりだけどまだ肺呼吸。エラが付いてないので自分のフィールドで戦うしかないんですよね、どれだけ相手から悪口言われようと噂を広められようと水に入ったら終わりですから。息が多少しやすくなったのはいいことだけど、そのせいで前より足が浮きそうなので今こそちゃんと身だしなみを整えて語感をフル活用して頑張ります。実はもう3週間前ですって。