朝方
公演当日です。公演日が近づくにつれて睡眠時間は顕著に短くなり、疲れているはずなのに目が覚めてしまう、寝ようとしても眠れない。感覚的では今日はぐっすり眠れた方だと思います
一から自分から脚本を作り、演出をして作った作品は今回が初めての様な気がします。故にいつも以上に演出中は手が震えていたのを今でもしっかりと覚えています。上手くいかないと脚本が間違っているんじゃないか、もっといい表現が他にあるのじゃないのか、この役者に掛ける言葉はこれではないのじゃないか、などなど。表には出ない様にはしてもそういうことがずっと頭の中で回り続けてしまうのです。
今日の公演に両親が来てくれるそうです。僕の作品を見るのは初めてだったと思います。まだ公演をしていないのに感想で何を言われるか気になってしまいます。しかし、僕が脚本や演出中に想像していた、この作品を伝えたい、観てもらいたい人の中に両親も含まれています。
実家にいた時からの成長や変化ではなく、好き勝手やってる息子は今何をしているのか、これから何をしようとしているのかを伝えたいです。言葉じゃきっと上手く伝えることはできないだろうから、そこは僕が一番人と密接に関われると思う演劇で伝えたいと思います。
今作はパーソナリティ障害と自己愛を主にモチーフにしてクリエイションを行いました。社会問題をテーマに持ってくるつもりで初めは製作をしていましたが、自分の尺度がまだそれを扱うには不十分なところがあることと、それよりもまずは自分自身、それぞれが自分について考える作品にしようと思い、そんなものをモチーフに持ってきました。
色々考えて考えて、考え過ぎてむしろ沼にハマっていく様な感覚がずっとしていました。自分を知ることは最も難しいこととがよく言ったものですが、新しい気付きや考えが自分に生まれると、たったそれだけで他人が分からなくなるしそれと関わっていた自分も分からなくなる。嘘が吐きたくなる。
分かってはいるけれど人間は僕が思っていたよりもずっと複雑で、それなのにアンバランスで成り立っている。必要ないけれど、この休み時間だけの良い関係性。いつまで続くか考えたくない恋仲。ずっと一緒にいたいと思う友人。死がなくても簡単になくなってしまう関係性ばかりだけど、やはりずっと持っていたいとも思う。
そんなことを何回も何回も、違う知識を得た僕で考えてみたり、周りの人間関係が荒れている時に考えてみたり、自分の精神が不安定な時に考えてみたり。
あっという間なようで、思い返してみるとやはりずっと長かったクリエイション期間で考えた。現時点での僕なりの答えを作品で作れたんじゃないかと思っています。未だに緊張とワクワクで頭が上手く回っていないAM8時。まずは初日、行ってきます