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2024年8月6日

 8月に入ってから上手く眠れない日が続いている。バイトで疲れた日に早々と晩御飯とお風呂を済ませて布団に潜っても次に目を覚ますのは午前2時。次に眠気がやってくるのは午前9時。寝て起きるともう1日のほとんどが終わっている。

 今は忍耐の期間であると我欲に走り出しそうな自分を何度も躓かせる。さっき読んだ本のことも今日感じたことも、ポッと出てきた良いアイディアも。今はすぐには文字に起こさずにメモを取る。

 朝の5時ごろ、窓から朝がやってきたことがわかる少し前に蝉は鳴き出す。今年の夏休みはまだバイト以外外出をしていないので蝉の死体もまだ見ていない。汗ばみながら日焼けをしないように自転車を漕ぐ夕方に出勤して、首にまとわりつく様なぬるさを自転車のスピードで払い除ける日付が変わる頃の退勤。地面も木も虫取り網を持った子どもも打ち上げ花火もまだ見ていない。

 今日は8月6日。誕生日を迎える時は2日前くらいからソワソワする。8月に入るとこの6日間、あと15日までをどう過ごすべきなのかを歳を重ねた自分に聞いてみる。人は見たものを、覚えていることも、忘れることもできると思います。ちょうどさっき眠れなくて読んだ戯曲のセリフ。
僕は見ていないし、思い出すこともできない79年前。この前亡くなったじぃちゃんが2歳の頃の出来事。

 今週末、実家に帰省する。親と編入のことについてちゃんと話し合うミッションがある。18年間一緒にいたのにちゃんと話し合うことなんて3回くらいしかできなかった。故郷の帰る前には何故かワクワクして、友だちに会えるのもそうだけど帰ると自分が変わったことがわかるから好きだったりする。週末に4回目を迎えられるかは分からないし、20歳になった僕は大して変わっていないかもしれない。でも、ちゃんと家族や友だちに会いに行こう。週末にはじぃちゃんの故郷の和歌山に行く。中学生以来かな。

 蝉の命が1週間だって知ったのはコントのネタだった。それか何かの替え歌。基本的に自分よりも長生きするものはないと思っていた少年期にそんなことを言われても、ならば大切にしないといけない、なんて発想は生まれてこなかった。マリオは死んでも何回でも蘇るし、ドラマで殺されたあの俳優さんもチャンネルを変えたら普通に生きている。昨日捕まえた蝉が翌朝、籠の中で鳴くことはなかった。お母さんがちゃんと埋めてあげなさいって言ったけど僕は捕まえた木の側に置いて、少し砂をかけただけだった。祭りで捕まえた金魚が夏休みが終わる前に白目になった時はお姉ちゃんと一緒に近所の公園まで埋めに行った。夏休みが明けた日の放課後にその公園のその場所を掘ったけど金魚はいなかった。

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