気まぐれレコード

北陸在住、20代エンジニアが趣味の音楽についてあれこれ語っています。 個人の解釈としてお楽しみいただけると嬉しいです。

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自己紹介Part2 - ライフタイム・ベストアルバム42枚

こんにちは。以前自己紹介記事をアップしましたが、私の音楽リスナーとしての遍歴にあまり触れていなかったので、今回は私のフェイバリット・アルバムを列挙しながら、私のリスナー人生について軽くお話しできればと思っています。 まずは下の画像をご覧ください。 これが、私のライフタイム・ベストアルバムです。 なぜ42枚なのかというと、作成したサイトの仕様がそうなっていたからです。 #私を構成する9枚 なんかが流行っていた時に、流れに乗って作成してみたものです。 ジャケットが大きく表示され

    • 紙面から飛び出した魂の演奏 - BLUE GIANT (オリジナル・サウンドトラック) / 上原ひろみ (2023)

      私はたまに、映画館に音楽を聴きに行く。 日常ではありえないほどのボリュームと圧力で音を堪能できるのは、ライブ会場を除けば映画館くらいしかない。 ライブとはまた異なり、作品のメインストーリーの文脈の中で音楽を味わえるのが映画館の醍醐味である。 といっても、私は田舎に住んでおり、最寄りの映画館まで行こうとすると車で一時間のドライブが待っている。 そのため、これぞ、という音楽映画を年に一度観に行く程度なのだが、私はこの非日常を毎度楽しみにしている。 そんな中でも私が特に感動した

      • 不死鳥再起の一撃 - From Zero / Linkin Park (2024)

        先週末、リンキン・パークの7年ぶりとなる新作が発表された。 「From Zero」と名付けられた本作は、そのタイトルの通り、ゼロからの再出発を果たしたバンドの、その再生のエネルギーが閉じ込められた1枚となっている。 あらかじめ断っておきたいが、私はリンキン・パークに対して強い思い入れがあるわけではなく、代表作を一通り聴いたことがある、といった程度のライトリスナーである。 そういった層の感想として読んでいただければと思う。 さて、リンキン・パークといえば、2000年のデビュ

        • 電子の革新が告げた新世紀 - Kid A/Radiohead (2000)

          トム・ヨーク来日中ということで、久々にレディオヘッドを聴いてみる。 私のキャパシティが小さいため、2000年代以降の彼らの音楽はしっかりと理解しきれていないところがあるが、1997年発表の3作目「OK Computer」および2000年の4作目「Kid A」には大きな感銘を受けた。 こと「Kid A」に関しては、こんな大傑作を作り上げてしまったら、あとは常人には理解の困難な領域で創作を続けるしかないだろう、と思えてしまう。 さて、私は「OK Computer」と同い年の20

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        自己紹介Part2 - ライフタイム・ベストアルバム42枚

          好きな間奏5選

          こんにちは。 今回は、個人的に間奏が好きな曲を5曲選んでみました。 一応、基準として、イントロや歌メロと同じメロディが間奏として採用されているものは除外して、独自なメロディが奏でられているものを選びました。 それでは、5曲のリストをどうぞ。 あまり個々の楽曲について語ることも無いので、聴いてその間奏の良さを感じてください。 In My Life/The Beatles Killer Queen/Queen 君は天然色/大瀧詠一 Sunday Morning/Maro

          窓辺を照らす夜明けの光 - よすが/カネコアヤノ (2021)

          身や心の拠り所、頼りとする対象。 カネコアヤノが2021年にリリースしたアルバムのタイトル「よすが」には、そういった意味が込められている。 音楽という表現の特性を考えれば、心の拠り所となるような作品を目指した、という解釈が妥当だろう。 本作がリリースされた2021年は、コロナ禍の真っただ中であった。 そのような、物理的にも心理的にも窮屈さを感じる時代に、この作品はその名の通り、私を含めた音楽リスナーたちの心の拠り所となっていた。 私は、この作品を、カネコアヤノの音楽の、一

          窓辺を照らす夜明けの光 - よすが/カネコアヤノ (2021)

          天に届くキリンとの逃避行 - kirin/リーガルリリー (2024)

          リーガルリリーは不思議な魅力を持ったバンドだ。 私が彼女たちの音楽に出会ったのは2020年に当時の最新作「bedtime story」を聴いたときだった。 当時は3人組のガールズバンドで、そのボーカルのはかなげな印象と、バンドサウンドや歌詞に秘められた強い情熱が共存するさまに大きな衝撃を受けた。 それは2人組へと形態を変えた現在も変わらず、衰えない熱さを音に閉じ込めて私たちに届けてくれる。 そんな中で、今年リリースされた最新作「kirin」は、彼女たちの従来の魅力はそのまま

          天に届くキリンとの逃避行 - kirin/リーガルリリー (2024)

          Homecomingsの新曲"slowboat"早速聴きましたがかなり良い感じ。 アルバム楽しみです。リリースされたらまたレビュー書きます。 https://music.apple.com/jp/album/slowboat/1775871910?i=1775871914

          Homecomingsの新曲"slowboat"早速聴きましたがかなり良い感じ。 アルバム楽しみです。リリースされたらまたレビュー書きます。 https://music.apple.com/jp/album/slowboat/1775871910?i=1775871914

          朝の隙間を彩る心の癒し - good morning/藤原さくら (2016)

          朝という時間は不思議だ。 基本的に私はギリギリまで寝ていたいタイプなので大半の朝を慌ただしく過ごしているが、たまにすっぽりと時間が空くタイミングがある。 なぜかは分からないが、朝の余裕ほど心地よいものはない。 余裕のある朝が与える心理的影響のメカニズムについて詳しい方がいたらご教示ください。 さて、そんなすっぽり空いた心地よい時間に私が聴きたくなるのが、藤原さくらのデビュー作「Good Morning」である。 タイトルやアートワークからも、柔らかい朝時間に似合いそうな雰囲

          朝の隙間を彩る心の癒し - good morning/藤原さくら (2016)

          第67回グラミー賞ノミネート発表!主要4部門の受賞者を予想

          今年もこの時期がやって来ました。 グラミー賞ノミネート発表。 主要4部門のノミネーションをチェックしつつ、各部門の受賞者を予想してみたいと思います。 まずはノミネーションをチェック最優秀レコード賞 優れた楽曲のレコーディングに贈られる賞。 今年のノミネートは下記の8曲。 The Beatles – Now and Then Beyoncé – TEXAS HOLD ‘EM Sabrina Carpenter – Espresso Charli xcx – 360 Bil

          第67回グラミー賞ノミネート発表!主要4部門の受賞者を予想

          ハートに火をつけた蝋燭 - roman candles | 憧憬蝋燭/Laura day romance (2022)

          生きているうちに一枚でも良いから、最初から最後まで自分が心の底から納得できるアルバムを作ってみたい。 私はミュージシャンではないが、数年前からそういった感情を持つようになった。 2022年に発表されたLaura day romanceのセカンドアルバム「roman candles | 憧憬蝋燭」は、私がその感情を強めるに至った直接的な原因の一つである。 ある日、私はいつものようにApple Musicを漁っていると、河川敷の薄の中にバンドメンバーが佇んでいる、一枚のジャケ

          ハートに火をつけた蝋燭 - roman candles | 憧憬蝋燭/Laura day romance (2022)

          【自己紹介】はじめてのnote -聴いて書いて伝えたい

          はじめまして。気まぐれレコードと申します。 以前、別媒体でブログをやっていたのですが、この度noteにお引越ししてまいりました。 なので、時系列的には初めての投稿ではないのですが、少し自己紹介したいと思います。 プロフィールにも記載していますが、私は北陸在住の20代で、普段はエンジニアとして働いています。 趣味は音楽鑑賞、温泉巡り、サッカー観戦など。 リモートワークで自宅が職場なため、システム開発に携わる傍ら、並行して音楽鑑賞にも勤しむ毎日です。 noteで何を表現した

          【自己紹介】はじめてのnote -聴いて書いて伝えたい

          サッカー・マミーの新作から考えるタイムレスな魅力 - Evergreen/Soccer Mommy(2024)

          サッカー・マミーから素晴らしい新作が届いた。 そのタイトル「Evergreen」から読み取れるように、かなりの自信作であるように思える。 エヴァーグリーン。 直訳すると常緑樹といった意味であるが、その常に葉を落とさず活気に満ちて見えるその生命力から転じて、音楽などの分野ではしばしば「時を経ても色褪せない楽曲の良さ」といった文脈で用いられる言葉である。 例えば、ビートルズやカーペンターズ、キャロル・キングなどはエヴァーグリーンな名曲を後世に残してきたミュージシャンであると言え

          サッカー・マミーの新作から考えるタイムレスな魅力 - Evergreen/Soccer Mommy(2024)

          バンドが還りついたモノクロームの新境地 - Being Funny in a Foreign Language/The 1975(2022)

          音楽には色がある。 前回の記事で取り上げたのはカラフルな色彩についての作品だったが、今回はその逆、色のないモノクロな世界観を持ったアルバムについて語りたい。The 1975が2022年にリリースした5作目のアルバム「Being Funny in a Foreign Language」がイメージさせる世界は、ジャケットにも表現されている白と黒のモノクロームなものである。 The 1975のキャリアを振り返ると、彼らのアルバム作品はアートワークやビデオなども含め、イメージカラー

          バンドが還りついたモノクロームの新境地 - Being Funny in a Foreign Language/The 1975(2022)

          少女が見た色彩に満ちた世界 - HUES/Hana Hope(2023)

          音楽には色がある。 もちろん、直接目で見ることはできないが、耳から入った音は脳内に響き、様々な色彩を私たちに感じさせてくれる。 2006年生まれの次世代シンガーHana Hopeが2023年にリリースしたデビュー作のタイトル「HUES」には、色合いや色彩といった意味が込められている。 当時17歳の少女は、このアルバムにどのような色彩を閉じ込めたのだろうか。 彼女の音楽キャリアの原点は2019年のYMOトリビュートコンサートへの参加である。 当時13歳にして、その類まれな歌

          少女が見た色彩に満ちた世界 - HUES/Hana Hope(2023)

          心地よい至福のカントリー・タイム - Golden Hour/Kacey Musgraves(2018)

          日曜の午後、部屋でゆったりと過ごしながら音楽に耳を傾ける時間は、心身の疲れを癒す至福の時間である。 ケイシー・マスグレイヴスが2018年に発表した「Golden Hour」は、そのタイトル通り、そういった時間を彩るのに非常に良い作品である。 テキサス出身のカントリー歌手であるケイシーは、この作品のヒットにより一躍有名になった。 同年のグラミー賞で年間最優秀アルバムを受賞したことで彼女のことを認知した音楽ファンも多いのではないだろうか。 かく言う私も、恥ずかしながらグラミー受

          心地よい至福のカントリー・タイム - Golden Hour/Kacey Musgraves(2018)