「おれ」を取り戻そう

私は、いつから私のことを「私」と言うようになったのでしょうか。

振り返ってみると、学生のころは、友だちどうしで話をするときには、自分のことを「おれ」と言っていました。

当時は誰も彼もがジャンプを読んでいたので、「海賊王に!おれはなる!」ですし、「おれが裁く!」ですし、「オレのターン」ですし、「オッス、オラ悟空」ですし、自然と一人称は「おれ」になるものです(「ぼく」だと康一くんになってしまいます)。

それでも、以前は当時の友だちと会えば、タイムスリップしたかのように私の一人称も「おれ」に戻っていた気がするのですが、最近は自分のことを「おれ」と言うのに違和感を感じるようになってしまいました。ただ、そういう場で「私」というのも堅い気がして、もやもやしています。

何でこんなことを考えたかというと、ポケモンカードを通じて知り合った大人の皆さんと交流をしていると、ときどき一人称に「おれ」が出てくる方がいらっしゃって、それが何かいいなあと思ったわけです。

「いいなあ」の正体

私が「私」と言うようになったのは、おそらく仕事を始めたころなのだと思います。

周りはみんな年輩の方でしたし、「おれ」はそもそも場違いでした。「ぼく」は新入社員に似合う感じはありますが、ややもすると少し頼りなく感じる・・・そうして私は「私」になったのではないかと思います。そのうち、同期の人たちとの間でも、「私」を主語にして話すようになっていました。

でも、ふと考えると、私は一日の3分の1くらいを仕事に費やしていて、家に帰れば2児の父ではあるものの、やはり、外にいるときは仕事の面が出ているのかなあ――ポケモンカードをしていても、お酒を飲んでいても(遊んでいるはずなのに)――どこかで仕事をしているときのような性格の部分、言うなれば堅苦しい部分が残ってしまっているのかなあと思ったわけです。

自分で言うのも何ですが、私はちょっと堅いというか、遠巻きにものを見ているようなところがある人間だと思うのです。だから、ポケモンカードを通じて交流している方が「おれ」と言っているのを聞いたときに、その方との距離がぐっと縮んだ気がして、何だかいいなあと思ったのだと思います。

「おれ」を取り戻す

それで、話が始めに戻るのですが、「おれ」を取り戻そうと言っても、それは、私がもう一度自分のことを「おれ」と言いたい、ということではないのです。

そういう表面上のことではなくて、昔、友だちどうしでふざけ合っていたくらいの感じでいろいろな方と仲良くしていきたい、そのために私もかしこまり過ぎず、もう少し自分のことをさらけ出していきたい、つまりはそういうことなのです。

昨年は私にとってのSNS元年になりましたが、今年はオンライン・オフラインを問わず明るい一年にしたいと思っています。

理屈っぽい私ですが、どうぞ仲良くしてください。


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