コロナ禍で存在を消された私たち 健康だったはずなのに
検査難民
発症月:2020年2月
ペンネーム:カレー
居住地:九州・沖縄
症状の始まり
2020年2月上旬、実家の家族と一緒に買い物をしていた時に急に倦怠感が出る。
風邪ひいたかな、と軽く考えていた。
数日後、今度は激しい咳も始まった。とにかく止まらない咳。
その後、倦怠感と喉のムズムズする感覚は残っていった。
自分は以前から病院に行くほどの風邪をひくことはなく、今回もそのうち治るだろうと総合風邪薬を飲んでいたが、効かなかった。でも時々無症状になることもあり、無症状⇔症状ありのループで、いつ治るんだろうと思っていた。
地方都市に住む私は、最初はコロナはまだ無縁のものと思っていた。
平熱は35度台と低い方だったが、熱は37度を超えることはほとんどなかった。
しかし、普通の風邪と違った症状があった。肩~上腕にかけてとふくらはぎがゾワゾワする感じと、寝ている時のひどい寝汗。もしかするとコロナかもしれないと思い始めた。
何気なく初めて開いたTwitterには大量の寝汗をかく人のツイートがたくさんあり、ほとんどは他に症状はない人たちで「もしかしてコロナ?(笑)」というようなツイートが目立った。それからTwitterを開くことが増えていった。
2月中旬、ついに自分が住む地域で最初の陽性者が出た。それからは毎日自治体のHPで陽性者の行動履歴を見ていた。
自分は発症してから仕事にも行っている。もし、陽性になって行動履歴が明かされたらどれだけバッシングを受けるか、病院に行けば閉鎖に追い込むかもしれないと考えるととても怖かった。
仕事は短時間のパートをしているが、休みたい旨を申し出ても熱もないのに受け入れてもらえなかった。このように長引くことが分かっていれば熱があると嘘をついてでも休めばよかったと思っている。
仕事の日は帰ると横になり、夫の帰りに合わせて夕食を作って食べた後もすぐに布団に戻り、翌朝洗い物を片付けるという生活だった。
2月末、初めて病院へ
当時は「コロナは治療法がなく自分の免疫で治すしかない、医療崩壊を起こしてはいけない」と言われていたこともあり、自力で治ることを待っていたが2月末、さすがに実家の親から病院に行くよう言われて初めて近所のクリニックへ行った。
受付で37度以下の微熱と喉の症状があることを伝え、別室で診察を受けて血液検査をしてクラリスロマイシンやカロナール等が処方された。
カロナールは「頓服です」と言われたため、微熱だった私はほとんど飲むことなく血液検査の結果を聞きに行った。
「薬を飲んだら治ったでしょう」
という医師へ何も変わらないと答えると薬を続けるよう言われ、熱はなかったのでカロナールはほとんど飲まなかったと言うと
「飲まないと!熱が出ていない事実にすることが大事なんだから」
と言われた。
きっとコロナ疑いの症状の患者を出したくなかっただけではないかと思っている。
また、血液検査で炎症反応がないことで「コロナではない」と言われた。
そして薬を続けても状況は変わらず、3月末まで何度か電話で相談するも
「コロナじゃない、そのまま様子を見て」
と言われるだけだった。
その間、保健所にも電話したが
「コロナはそんなに続きませんよ。
色んなウィルスとかを拾っているんでしょ うね」
といって相手にされなかった。
もう一度クリニックに電話で相談した時、また「様子を~」と言うので、思わず本当にコロナじゃないのか、それならどうしてこんなに治らないのか、詳しい検査もしてくれないのかと言うと
「それは分かりませんよ、
なかなかPCR検査ができないことが問題になってるでしょうが」
と言われ、最後は
「自分は呼吸器は専門じゃないから分からない。呼吸器内科に行ってもらわないと」
と言われ、呼吸器内科へ行くことになった。
ちなみにこのクリニックでは過去に心臓の違和感や腹痛の時にも原因不明で心因性と片付けられたことがあり、もう行くことはないと思い診察券は捨てた。
4月、呼吸器内科へ
4月上旬に行った呼吸器内科ではレントゲンは異状なく、アジスロマイシン等を処方された。
実はこの時に
「PCR検査が受けられるか聞いてみますか?」
と言われたのだが、自分のような症状では無理そうな気がしたのと、いざとなると怖くなって断ってしまった。後からお願いしたが、難しいとのことだった。
自分で保健所に2回目の電話をしてみたが、「肺炎症状までならないと検査は受けられない」とのことだった。
血液検査の結果を聞きに行った際、CT検査をお願いしたところ「被爆のリスクがありますよ」と言いつつ受けさせてくれたが、異常なしだった。当時は、ダイアモンドプリンセス号の事例から無症状でもCTにすりガラス状の影ができると言われていたのだった。
恐る恐るコロナではないか聞いてみたら
「どうでしょうね、でも若い人は軽症で済むそうですから」
と言われた。
医師が内心コロナを疑っているのかどうかは分からなかったが、私はコロナかどうかより、とにかく体が元に戻ってほしかった。この時点で体重は3キロ減っていた。
この頃だったと思うが、実家の親がかかりつけの看護師に「娘がコロナじゃないかと言っている」と話したところ
「中国には行っていないんでしょう?
それならコロナにはなりませんよ」
と言われたそうだ。
2020年4月~
この頃の症状としては胸や背中の違和感等も現れるようになった。
体が冷えると体調が悪化することが分かり、自分と似た症状の方を真似して寝汗をかいても湯たんぽを入れて思い切り汗をかくと症状が和らぐのを感じた。
あと体がだるい時は微熱はなく、元気な時に熱を測ると微熱だったという不思議な症状も起きていた。
ちょうどこの頃非常事態宣言が出されて、やっと職場から体調が優れない時は無理せず休むよう周知され、仕事が休みの日も増えた。
この頃は休みの日はベランダで日光浴をして、腸活を始めてビタミン・ミネラルのサプリメント等を飲むようになった。
余談だが、この年の4月頃には無症状の日もあったこともあり、コロナのことばかりで気が滅入るのでTwitterをやめようと思った時期があった。
しかし、久々に開いてみると、イタリアでコロナの死因が肺炎ではなく血栓だと発見されたことを知った。そんなことTVでもどこでも聞いたことがなく衝撃を受けた。
改めて、Twitterで情報収集を再開することになる。
6月、漢方内科へ
ミネラルの摂取が効いたのか、ふくらはぎのゾワゾワ感は解消したが、いつの頃からかそれまでの喉のムズムズ感はイガイガした違和感に変わり慢性化した。
症状のピークは過ぎたが倦怠感は少し残っていて、体重は計9キロ減っていた。
Twitter上では漢方薬を飲んでいる方が多く、初めて漢方内科に行ってみた。
「コロナじゃないかなと思っているんですが」と言うと、
「PCR検査を受けないと分からないよ。
検査は受けなかったの?」
「検査受けられなかったの。あっそう。」
という浮世離れした感じの高齢の医師だった。自分は肩の力が抜ける不思議な感じがした。
そして医師は頭の上やお腹の上に手をかざしたり漢方薬のサンプルのようなものを置いて独り言のようなことを言いながら、自分の体の状態に合う薬の組み合わせを考えているようだった。
最後の採血の時、看護師さんが
「早く良くなると良いですね」
と言ってくださった。
何でもない一言のように思えるかもしれないが、とても心がこもった言い方で、思えばこれまでこんなに優しく寄り添った言葉をかけてもらったことは家族からもなかった。
処方された漢方はよく効いた体感があった。しかし、医師は自分の体がどのような状態なのか尋ねてもはっきりと答えられなかったが、例の看護師さんはその後も診察の後に待合室まで来て
「前回よりも顔色が良くなりましたね」
「これから、もっともっと元気になりましょう」
とガッツポーズで力づけてくれて涙が出た。
その後
喉の症状は続くが普通の生活はできる日々が続いている。
そして歯の調子が悪くなった時に波動治療についてフォロワーさんから教えていただき、2021年から波動治療を取り入れているクリニックへ通っている。
そのクリニックによると病気の原因は下記の5つで、この原因を取り除けば病気は治ると言われている。
① 金属汚染 ②電磁波 ③化学物質 ④潜在感染(細菌やカビ等) ⑤ストレス
歯は銀歯除去をして、洗剤やシャンプー等の化学物質を避け、食事は極力添加物を摂らないように心掛けているが、これらは身の回りに溢れていて、簡単に見えても除去するのは難しい。
でも、これらの対策をしながら体を治すのは医者ではなく自分自身しかいないのだ。
実は一度クリニックで医師から厳しいことを言われたことがあり、このまま診てもらえなかったらどうなるのだろうと落ち込んだ時があった。確かに薬は処方してもらっているが、よく考えると、医師はあくまで患者をサポートする立場であり、体に良い環境を整えるのは何より自分自身なのだと気づいたことは大きな収穫だったと思っている。
最後に
自分がもしコロナだったとしても感染経路は分からない。強いて言えば職場の近くや通勤で使用する電車の中にも外国人観光客がたくさんいたこと。
また、自分は以前から健康診断では何の異常もなく健康体に見えるのだが、腸の調子が悪いことが気になっていて、爪がもろかったり髪の毛が抜けやすく、ネットで調べても栄養不足と書かれていたがバランスよく食べているのに不思議だった。以前からミネラル不足または吸収されにくいことで今回の長期不調につながったのか、それは分からない。初期はとにかく食べなければと考えてカップ麺や菓子パンも食べていたし、オーガニックにも全く興味がなかった。それがこの2年を通して大きく変わった。
そして忘れてならないのは自分以上に痛く、苦しい闘病を余儀なくされた方が大勢いるということだ。新型コロナのパンデミックの初期に我々のような存在がいたこと、それは事実なのだ。
このような仲間の存在が支えになってここまで乗り切ることができた。感謝の気持ちを忘れず、自分の体を大切にこれから生きていこうと思う。
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