見出し画像

ベツレヘムの2枚


ベツレヘム・レコード

1953年NYで設立され’60年Kingに買収されるまで地味ながらも多くの良心的な作品を制作、特にクリス・コナー、カーメン・マクレェ、ニーナ・シモンといった女性歌手の佳作やバート・ゴールドブラットの手による美しいジャケットデザインでいわゆる ”通好み” なジャズファンに愛されているマイナーレーベルである。


ブルーノートやリヴァーサイドなどの 有名レーベルに比べたら確かに吹き込みの顔ぶれも地味だし ”名盤本" を華々しく飾るようなヒット作も見当たらない・・・・・。

しかしジャズレコード蒐集も ”中級” 以降になってくれば必ず一度はお世話になる、というかぶち当たる壁、のような存在がこのレーベルなのである。






ベースのミルト(ン)・ヒントンとドラムスのオシー・ジョンソン、


この二人は多くのレコードでチームを組み、あたかも 『ジャズ界の良心』 とでもいいたくなるような演奏を数多くのこしているがそんな二人の貴重ともいえるリーダーアルバムが仲良く揃ってここから出ているあたり、このベツレヘムの面目躍如といったところであろう。



画像1




East Coast Jazz series #5 MILT HINTON
(BCP-1020)


画像2



B・Goldblatt




なんという素晴らしい意匠




ベツレヘム、





特に10inch盤はその宝庫だ




ここではまったくといっていいほど『俺が、俺が』といったソロなどとっていない、

そんなミルトには ”リズム屋としての矜持”、ダンディズムすら感じる。


画像3





相棒にはやはりO・ジョンソン、ディック・カッツ(p)が実にいい仕事振りだ。



画像4








正真正銘の ”ミゾ有り” オリジナル盤



盤質、ジャケともにEX+級





中袋にはパラフィン紙



50年代アメリカの ”匂い” が確かにする。

いくらしたかなんて野暮は言わないが

我が家で最も高価なレコード・・・・







画像5





The Happy Jazz of OSIE JOHNSON
(BCP-66)



画像6



こちらも

ある意味、ドラマーらしからぬ・・・・・・・




淡々とリズムを刻みつつ



ときおり ”喝” を入れる






それはまるで座禅の際警策を与える直日(じきじつ)僧のようでもある。






画像7



今度は律儀にもM・ヒントンが一部手助けをしている。





そうそう、もうひとつだけ。

画像8






このベツレヘムレーベル、そのラインナップの中核には "East Coast Jazz Series" というのがあってその面子を見ただけでもこの会社のポリシーが判りそうなところだ。

ちょっと列記してみると

#1 :Bobby Scott
#2 :Vinnie Burke
#3 :Joe Puma
#5 :Milt Hinton
#6 :Urbie Green
#7 :J&K

・・・・・といった具合で、この当時の東部音楽シーンを端的に表している。



僕は一般的に言われているほどには ”イーストコーストジャズ vs ウエストコーストジャズ” という対立構造は無かったと考えているが、このベツレヘムレーベルと西海岸のパシフィクジャズやコンテンポラリーレーベルを並べた時自ずとその好対照ぶりには多少意識されられざるを得ない、とも思えるのだ・・・・あたかもそれは異なる気候/風土により好対照な音作りをしたオーディオメイカー=西のJBL・東のエレクトロヴォイス、のように・・・・・。






そして、これはレーベル違いだが・・・・

画像9



『海辺のコニッツ』とか・・・・


BGの秀逸なデザインで ”ジャケ買い” しちゃっただけのコレクターの皆様、たまには中身も聴いてあげましょう、イイもんですよ。



サポート本当にありがとうございます、これを無駄にせぬよう今後とも書いてゆく所存です‼️