餞(はなむけ)の一輪~『死神さんとアヒルさん』
『死神さんとアヒルさん』
作・絵:ヴォルフ・エァルブルッフ
訳:三浦美紀子
幼いころから「死」に興味が引かれていた。幼稚園での同級生の死を皮切りに、日常に突然ぽっかりと穴を空けてしまうその出来事が不思議で悲しくてたまらなかった。たまらないからこそ何度もいつまでもその「虚」を見つめて目をはなせずにいるのだと思う。その人がいたはずの空間が窪みがなって見える。いつかその「虚」が周りに馴染んで消えてしまうのを惜しんでいる。
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この本の原題は『Ente, Tod