ヘンデル作曲 Conservate raddoppiate 解説
1,ソプラノとアルトのための作品
作曲年:1710年頃
作曲地:ハノーファー
この時期、ヘンデルは他にも5曲ほどの声楽作品を作曲しています。
2,ヘンデルの時代背景
1706~1710年のヘンデル
イタリア滞在中、ヘンデルはオペラ、カンタータ、オラトリオの作曲と演奏を行い、オルガンやチェンバロ奏者としても活動しました。ローマ、ヴェネツィア、ナポリを訪れ、スカルラッティ親子やアルカンジェロ・コレッリなどの音楽家と交流を深めています。この時期、オペラ『ロドリゴ』や『アグリッピーナ』が上演されました。
1710年
ハノーファー宮廷の楽長に就任。アゴスティーノ・ステッファの推薦を受けての就任でした。就任後すぐに休暇を取り、ハレ、デュッセルドルフ、オランダを経てロンドンに向かいます。
1711年
ロンドンでオペラ『リナルド』を上演し、大成功を収めました。この成功により、ロンドンでの名声を確立し、その後の音楽活動に大きな影響を与えました。
[補足]
•カンタータ: 短いオペラのような形式の声楽作品で、宗教的または世俗的なテーマを持つ。
•オラトリオ: 宗教的な物語を音楽で表現する大規模な声楽作品。劇的な要素を含むが、演技を伴わない。
•スカルラッティ親子: イタリアの作曲家アレッサンドロ・スカルラッティとその息子ドメニコ・スカルラッティ。父はバロック音楽の大家で、息子は鍵盤音楽の名手として知られる。
•アルカンジェロ・コレッリ: イタリアの作曲家で、バロック音楽の重要な人物。特にコンチェルト・グロッソ形式の確立に貢献した。
•アゴスティーノ・ステッファ: イタリアの作曲家で、当時の著名な音楽家。ヘンデルのハノーファー宮廷楽長就任に際して推薦を行った。
3,日本語訳
Conservate, raddoppiate
大切にしておくれ、増やしておくれ
avvivate, amanti cori,
活気づけておくれ、恋人たちの
i teneri ardori
優しい情熱を
del nume d’amor
愛の神よ
Nodi voi, che gli stringeste
あなたの絆は彼(彼女)を縛り、
faci voi, che gli accendeste
あなたはその松明に火を付け、
siate eterne in questo cor.
この心の中で永遠であれ
4,楽曲の特徴
この曲は情熱的で、内面的な葛藤が強く感じられます。前半のゆっくりとしたテンポでは、愛の神に向けて、恋人たちの優しい熱意をさらに高めてほしいという願いが込められています。後半では、永遠を求める情熱的な願望が描かれる一方で、深い絆が相手を束縛する可能性への懸念も表現されています。こうした複雑な心情が、音楽を通じて見事に描かれています。
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