『しろくまちゃんのほっとけーき』わかやまけん

ママと一緒にホットケーキをつくるしろくまちゃんのお話です。料理に使う調理器具と材料を揃え、決まった手順でホットケーキをつくるしろくまちゃん。
料理をすると失敗することもあるし、失敗しないために手伝ってもらうことも必要です。この本に描かれているのは、子どもが料理をするときに必要な考え方。つくるを疑似体験しながら、子どもの「料理をしてみたい!」と思う気持ちをふくらませてくれる本です。
そして私が何より素敵だと感じるのは、できあがったホットケーキをお友だちのこぐまちゃんと一緒に食べるところ。おいしいものを誰かと分け合いながら味わえるよろこびを子どもにも知ってほしいと思いながら、何度も読み聞かせしました。

文化人類学者の石毛直道氏は、「人間は料理をする動物である」「人間は共食をする動物である」とおっしゃいました。
私たちは生きるために食べます。食べ物を料理し、独り占めせずに分け合うのも生きるため。孤食、個食、子食、固食……などは、こうした人間が生きるために培ってきた食べ方とは異なる食べ方です。
食文化を大切にすることは、先人たちが長い時間をかけて見出した健康法を使わせていただくこと。子の健康を望めば望むほど、食文化のありがたさや食育の大切さを感じます。

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