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折々のチェスのレシピ(425)少しだけ高度な知識をあなたに
AIやソフト(エンジン)に解析させれば黒が有利な局面です。AIなどに頼らずとも黒が優勢な駒組みをしているのは明らかです。
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見て明らかなように、これから黒がきちんと指していけば勝てるであろう中盤の局面です。しかし、白はほぼ間違いなく次はe5の地点で駒を捌きあってくるでしょう。
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そして手番は白なのでクイーンを出してきてポーンの両取りを掛けてくるはずです。黒は両方を受けることはできません。
よって、
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この形で受けるか、あるいは、
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どのみちチェックは掛かるのだからクイーンを交換する予定でこうしてポーンを進めるか、おそらくこの二択が有力です。
だったらもっと早い段階で黒はいい駒組みをしていたらいいではないかと指摘したいところですが、ダニッシュ・ギャンビットに対して黒はここまでほぼ間違いのない指し回しをしています。
このあたりがダニッシュ・ギャンビットの怖いところで、序盤からあえて不利な駒組みをしているのにそれ以上はあまり不利にならないのがダニッシュ・ギャンビットだったりします。この後、白が緩手を指したりすると一気に逆転まではいかないまでも形勢は簡単に互角になってしまったりします。
第1図以降の進行例でクイーンを交換することができないと黒は逆転されてしまう可能性が結構あります。クイーン交換後の見通しを立てることができないプレイヤーだと逆転負けまでがあるかもしれません。