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折々のチェスのレシピ(88)

下は黒が間もなく負ける局面です。

これだけ駒が残っている段階で黒のほぼ必敗というのはだいぶ力の差がありそうな二人の対局です。

局面を戻すと、

中盤のこの局面で、黒はまずビショップが使えていません。また、d5のナイトも実質的にほとんどなにもしていません。ということは、白は実戦的にはほぼ2枚分の駒得をしているに等しいことになります。さらにいえば、黒はクイーンも前線に進めることができないでいます。

白が相手の駒の押し込めに成功しているのは、ここ何回かご紹介してきたように、序盤のセンター付近の攻防で優ったからに他なりません。序盤で遅れを取ると、中盤以降で取り返すのがとても大変です。

白は上の局面ですでにどうやって勝とうかと考えている段階です。キングが比較的安全な状態がしばらく続きそうなので、次はf4などとポーンを出していくような手も可能です。これは相手の駒が自由な時にはキングの守りがやや不安になるため、ちょっとやりにくいですが、駒を抑え込んでいる本譜なら効果的な攻め手になります。


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