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チェスのレシピ(26) チェスでまずスコア1000点超えを目指す人のために
白がまったく予想外の一手を放ってきました。
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なぜ予想外かといえば、白の駒損が確定する手だからです。普通は指してきません。しかしながら、ありえない手をあえて指してきたからには裏に何か思惑があるのではないかと疑心暗鬼になってしまうこともあります。冷静に対応しましょう。
将棋と違い取った駒の再利用ができないチェスは駒損駒得が勝敗に大きく影響します。時にはポーンひとつの差でも形勢に大きな開きが出ることもあります。
さて、上の局面ですが、黒が駒得になることは確定していますが、ふたつの選択肢が存在します。
ひとつ目は、
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先に白のクイーンを取ってから相手に自分のクイーンを取らせそれをキングで取り返すという順番です。
もうひとつは、
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Qa5とチェックをかけ、白がd2と戻したビショップをクイーンで取り、そこでクイーンを取らせてからナイトで白のクイーンを取る手順です。ちなみに、白は黒のチェックにBd2とする以外の対応はクイーンがタダで取られます。
上のふたつの手順ともクイーンを取り合って尚且つビショップが取れる黒の駒得になることに変わりはありませんが、ひとつ目の対応の場合、キングを動かしているのでキャスリングができなくなるという制約が課されます。
どちらがいいか実ははっきりしません。
キャスリングの可能性を残しておいたほうが戦いやすいと考えれば後者の手順ですし、いやもう駒得しているから十分だと判断すれば前者でも構いません。この判断は棋風によるところかもしれません。