折々のチェスのレシピ(332)キャスリング考
下の局面、キャスリングの選択肢を残しておきたくなるかもしれません。
だとするとなにか合駒をしなければなりませんが、どうやってもうまい方法はありません。そうなるとキングを逃げるしかありません。逃げ場所は二つです。さて、どちらがよりいい逃げ場所でしょうか。
f1のほうが断然いいです。なぜなら、白のe5のナイトが浮き駒になっているからです。次に白はこのナイトをどうにかしなければなりませんが、単にどかしてしまうとBxb2があります。そこでナイトにポーンで紐づけてくるはずです。
それでもビショップとナイトを交換してしまいます。すると、黒はクイーンの可動域がいきなり広がります。ここでクイーンを出していくのが白にとっては厳しいです(Qh4)。
ポーンでチェックを止めるでしょうが、次々に黒に手番が巡ってきます。
第1図でキャスリングにこだわるとうまくいきませんでしたが、相手の瑕を判断できればずっといい形を作ることができます。