折々のチェスのレシピ(394)少しだけ高度な知識をあなたに
黒はナイトを追いかけ回される形でやや不本意な序盤の駒組みを強いられています。
ただ、この局面でやってはいけない手を指さない限り、黒があえて目指しても悪くない形だとも言えます。
まず指してはいけない手として、
これがあります。白のポーンのさらなる進出を止めたいという気持ちはわかりますが、これではe7のビショップがかなり先まで使えなくなります。
同様に、
ビショップでポーンを進出を止めたとしても今度はc8のビショップの使い勝手が悪くなってしまいます。そもそも白のdファイルのポーンが黒にとって当面の脅威になることはないので焦って対応する必要がありません。
ということで、このふたつの手以外を黒は検討します。
キングの頭にナイトが二枚いることを活かして、さらに守りを堅めるという考え方がひとつ、
もうひとつは相手のナイトが動かせないことを利用してビショップを出していってしまう手があります。この後に、
d6とすれば、c8のビショップも動きが取れるようになります。
まだお互いにすべての駒が残っており、どのように進行するか読み切れない段階ですが、少なくともここで白がミスをできない形にまで黒はすることができています。