折々のチェスのレシピ(514)少しだけ高度な知識をあなたに
折々のチェスのレシピ(503)で書いたダニッシュ・ギャンビットのやや無理筋が通用してしまう実戦例を見つけたのでご紹介します。
もちろん、
おそらくダニッシュ・ギャンビットを知らない黒は、焦ってナイトをタダで取られてしまうところに出してきてしまったので、これを白は取ればいいのですが、白としては「まあ、もう少し付き合ってあげるか」みたいな感じで取っていません。
これだけ右往左往する黒を見ると、白としては怖くないと感じるはずです。その後の指し方を見ても、黒は支離滅裂です。というように、ダニッシュ・ギャンビットは相手のミスを誘う手筋(戦術)です。王道では決してありません。が、相手のミスを誘いやす戦術であることは見てのとおりです。
どうして邪道というか王道ではない戦術をこんなに何度も取り上げるかというと、AI(エンジン)やチェスの参考書を使っていくら王道的な指し回しを学んでも、どこかできっとつまらなくなるからです。というのは、棋力が上がって強い相手と対局するようになると、ドローが多くなるからです。ドローが面白いという人はそんなに多くないと思います。そこでチェスを諦めてしまってはもったいないです。
チェスには、相手を惑わすという邪道だけれでも立派な?指し方があって、それを駆使するというやり方もあるわけです。それのスペシャリストになってくださいとは言いませんが、こういうテクニックも知っていないと勝ちきれなくなることも事実です。その練習にもってこいなのがダニッシュ・ギャンビットなのです。