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折々のチェスのレシピ(295)序盤で指してはいけない手100選
前回、シシリアン・ディフェンスについて軽く触れたので、シシリアン・ディフェンスを白の方から見てみます。
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chess.comで1300〜1500点台もしくはそれ以下のプレイヤーの実に7割から8割が、次に、
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d3とポーンを突いてきます。これは白がやってはいけない手の代表格です。c1ビショップを活用する道ができてとても良さそうな手に見えますが、
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d5と突かれることをまったく念頭に入れていません。こうされると、
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まずはd5の地点で駒を捌き合うしかありませんが、ビショップをどこかに逃げなくてはいけないことには変わりなく、逃げるといっても二ヶ所しかありません。
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b5に逃げた場合、おそらくチェックを掛けてくるはずです。キングを逃げることも可能ですが、その場合、しばらく進むと、
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これはひとつの進行例ですが、大体において黒がかなり優勢な駒組みを作ってしまいます。よって、キングを逃す選択肢はなく、何らかの合駒が必要になります。
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ビショップだとこのようにされてお手上げです。d3とポーンを突いてしまったマイナスの影響がここにも現れており、つまり出ていったビショップ(現在b5にいる)を引くことができないのです。
そこで、
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クイーンでチェックを防ぐしありませんが、クイーンで取られてしまい、それをキングで取り返すという手筋しか残っていません。これで勝敗が決したとまでは言えないものの、キャスリングができない白は今後苦戦が予想されます。
では第1図で白はどう指せばよかったでしょうか。d5の地点で駒を捌きあった後にチェックを掛けられてしまう可能性があるわけなので、それを事前に防ぐ手が必要です。つまり、
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ここで、キャスリングを済ませておくべきでした。
しかしながら、話はここで終わりません。なぜなら、白は実は第1図の時点でもう緩手を指しているからです。長くなりましたので、この続きは次回に。