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折々のチェスのレシピ(508)少しだけ高度な知識をあなたに

白は黒に対して罠を仕掛けています。黒のミスを誘うような駒組みになっています。

第1図

形勢自体は互角の範疇ですが、hファイルが開いているのに加え、ナイトの進出を許してしまっている黒としては追い詰められている感覚があるかもしれません。そこで魅力的に見えてしまうのが、

ナイトの両取りを掛ける手です。これで勝ちが転がり込んできたと思っても無理はありません。

ここでe5のナイトを取れば相手のクイーン取りだ!

と思ったのも束の間、

逆に一手詰めの頓死です。

早指しで第1図の局面を終盤として迎えたら時間がなくなっているかもしれず、この罠を見破ることは難しくても仕方ないかもしれません。それよりも、第1図の段階で黒に有効な(相手を困らせるような)手が当面ないということのほうが黒にとっては痛手だったと思われます。

白はほとんどなんのプレッシャーも受けずに手を作ることができたことが第1図からは読み取れます。逆にキング周辺にナイトの進出を許してしまいプレッシャーを感じている黒は、当然というべきか、白が仕込んだ罠にまんまとハマってしまったという対局です(実戦例から採録しています)。



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