チェスのレシピ(89) チェスでまずスコア1000点超えを目指す人のために
ビショップやナイトで自分のルークを取らせてしまったほうが形勢が良くなることがあるということを以前少しだけ書きました(あわせてお読みください)。
上の局面はそれを狙って意図的に取らせるように仕向けたものです。注目してもらいたいのは、ひとつはまず、白の各駒のほとんど(その中でも特に左辺のナイトとビショップ)がすぐには動けないことです。g3にいたビショップだけが辛うじて動ける駒でした。それとは逆に、黒の各駒はいい位置にいます。
駒を取り合って上の局面になります。白は唯一とも言える自由に動けるビショップを捨ててしまったので、さらに身動きが取れない状態です。こういう局面を作れるのであれば、単体で比較するとルークのほうがビショップより価値の高い駒とされますが、状況を勘案するとその価値が逆転していることがはっきりしていますので、ルークを捨てて相手のビショップを盤上から消してしまったほうが有利に戦うことができます。
この対局は以下のように白の駒がほぼ掃討されてメイトが決まりました。
このことは反面教師的にもとらえることができます。つまり、自分が相手のルークをナイトもしくはビショップで取れる局面であっても、そのナイトもしくはビショップが取り返されてしまうのであれば、必ずしも自分にとって有利に働かない可能性があるということです。