折々のチェスのレシピ(250)ダニッシュ・ギャンビット
いよいよダニッシュ・ギャンビットで目指す局面ができたとします。以下です。ちなみに、すんなりとこの形になるのは、おそらく20 〜30%ほどだと思います。
この局面をあらためて見ると、黒はポーンしか動かしていないので駒の展開がかなり遅れています。一方の白は駒損しているのに加えて、左辺がガラ空きで守りに不安を抱えています。
黒にとって唯一使える駒(ポーン以外)は、出口が開いているクイーンとビショップです。よってどちらかを出してくるプレイヤーが多くいます。中でも多いのが、
チェックを掛けてくる手です。白はまずはここで適切に受ける必要があります。主に4つの受けがありますが、Bc3はないです。なぜなら、せっかくダニッシュ・ギャンビットにして二枚のビショップで相手陣を狙う形にしたのに、交換されてしまっては元も子もないからです。キングをf1に逃す手もあり得ます。しかし、この選択肢はキャスリングができなくなり、その後の指し回しが結構難しいので、次善策とします。また、この後の展開によってはキングが初形のままのほうがいい時もあります。
残るのは、Nc3とNd2です。どちらで受けるか、事前に決めておきましょう。Nd2でもとりあえずは受かっていますが、その後の展開によっては少々嫌な形になる可能性があります(後述します)。そこで、
Nc3と受けます。
このように受けると、多くのプレイヤーは、
e4のポーンを狙って、Nf6と出してきます。ごく自然な手に見えます。しかし、ここからがダニッシュ・ギャンビットの見せ場となります。
ダニッシュ・ギャンビットでは相手のナイトを咎める手筋がよく出てきます。これもその例です。以下の手筋はgifアニメーションでご覧ください。
きれいに技が決まりました。しかしながら、こんなに上手くいかないこともあります(次回に検討します)。
さて、Nc3かNd2のどちらで受けるほうがいいのか問題です。Nd2で受けた場合、
このようになり、黒がNd2を交換してくると、
こうなります。一方、Nc3で受けた場合(gifアニメーションの場合)、
こちらのほうが白にとって形がいいのです。
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