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折々のチェスのレシピ(389)少しだけ高度な知識をあなたに

さまざまなことを読み取ることができる局面です。

まず、黒が守りを優先して序盤はまずクローズドな展開を志向していることがわかります(ただし、次にある手を用意しています)。また、白も黒もキャスリングを保留してキングの守りを明確にしていません。さらに、白からは次にこれといった攻め手がありません。

以上を踏まえて白は次からの一連の手を考える必要がありますが、この対局で白は、

a4としました。それ自体ほとんど意味のない手です。その後に黒がキャスリングをしたのを受けて、上の局面です。相手がキングサイドにキャスリングをすると、すぐにそちら側のポーンで攻め手を作るプレイヤーはそれなりに多いのですが、黒にとってほとんど脅威になっておらず、逆に白はキングサイドにキャスリングしずらくなってしまっています。白は自分のキングのリスク管理ができていません。

クイーンサイドにキャスリングをするかキャスリングをしないで戦えばいいのではとも思われますが、黒からの次の手を忘れています(というか見えていません)。

d5の地点で駒を捌きあって白がビショップを逃したところで、

この形になると白にはもう自分で手を作る筋が残っていません。キングの安全を確保できておらず、しかも手詰まりとあっては、もうどう負けるかという選択肢しかほぼ残されていません。

少しだけ局面を戻します。

第5図

これが絶対に悪い手かと問われるとそうとは言えないかもしれません。しかし、今ここで必ず指さなければいけない手ではなく、ここで一手使うのであれば、キャスリングをするか、d5が見えているのであればBb3と引いておくことができます。あるいは、もう少し積極的な手としては、

使えていないビショップを繰り出す手もあります。e5とされたら出したばかりのビショップを逃げないといけないじゃないかと思われるかもしれませんが、

たしかにここでビショップを引かないといけませんが、黒のd5からの手筋は消えます。

第5図でa3としても自分のスコアがまだそれほど高くないうちは相手もそれほどスコアが高くないので大きな問題にはならないと思います。でも、自分のスコアと対局相手のスコアが上がると、もしかしたら敗着になりかねない手だということは頭の片隅にでも置いておいてください。






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